債券は反発、世界的な債券安一服で買い-物価連動債入札は予想上回る

更新日時

債券相場は反発。前日の米国債相場が上昇す るなど世界的な債券安が一服したことを受けて買いが優勢となった。こ の日に実施された10年物価連動債入札は最低落札価格が市場予想を上回 るなど波乱なく通過できた。

8日の長期国債先物市場で、中心限月6月物は前日比13銭高の146 円90銭で開始し、直後に147円05銭まで上昇した。その後は上げ幅を縮 める展開。午後は146円80銭台後半を中心としたもみ合いが続いたが、 終盤に水準を切り上げ、20銭高の146円97銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の338回債利回 りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベー シスポイント(bp)低下の0.425%で開始し、いったん0.41%まで低下。 その後、0.425%に戻したが、再び0.41%に下げている。前日は0.435% と3月11日以来の高水準を付けた。

UBS証券の井川雄亮デスクストラテジストは、債券相場につい て、「海外金利の低下は日本の債券市場にポジティブだ」と指摘。た だ、「10年債が0.4%台からなかなか下がらないのは、ドイツ国債利回 りの上昇などで海外勢から見た日本国債の相対的な魅力が低下してしま ったためだ。今夜の米雇用統計に対する一定の警戒感もある」と話し た。

物価連動債入札

財務省がこの日実施した表面利率0.1%の10年物価連動債(20回 債、5月発行)の入札結果によると、最低落札価格は107円20銭と、事 前の市場予想106円95銭を上回った。応札倍率は2.65倍となり、前回1 月入札の2.97倍から低下した。

物価連動債入札について、バークレイズ証券の福永顕人チーフ債券 ストラテジストは、、高値警戒感があったが、予想より良い結果と言 い、「流通市場の実勢水準と乖離して入札結果が決まることはよくある ことだ」と述べた。「債券相場の反発は海外市場、特に欧州国債市場が 反発したことの影響が大きい」と話した。

UBS証の井川氏は、「物価連動債の入札結果はおおむね予想通り だ。その後の流通市場でも全く崩れなかった。今後は原油価格や消費者 物価などファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)によるところが大 きいだろう」と述べた。

米国ではこの日、4月の雇用統計が発表される。ブルームバーグが まとめた調査によれば、非農業部門雇用者数は前月比22万8000人増、失 業率は5.4%への低下が見込まれている。前月は12万6000人増だった。

米雇用統計について、野村証券の松沢中チーフストラテジストは、 「非農業部門雇用者数は前月実績からの加速が期待される。しかし、製 造業雇用が足かせとなって、市場予想に対しては下振れる可能性の方が 高そうだ」とみている。

SMBC日興証券の山田聡シニアクオンツアナリストは、12日に10 年債入札を控えているとし、「米雇用統計ではやや弱めの数字を織り込 んだ可能性があり、逆に強めの数字が出た場合に米金利が上昇しそう」 だと話した。

--取材協力:池田祐美、赤間信行.