経団連:円安利益は中小に還元を、大企業に呼び掛け継続-政府も要請

経団連は会員の大手企業に対し、円安によっ て生じた利益の取引先中小企業への還元を引き続き呼び掛けている。

経団連の広報担当、浜田毅士氏によると、会員が集まる場や機関誌 などで周知を図っているという。中小企業の労使交渉がこれから予定さ れており、「反応がどう返ってくるかはこれからだ」と7日の電話イン タビューで述べた。経団連では4月2日の政労使会議を踏まえ、仕入れ 価格の上昇で影響を受けている取引先への支援などを要請している

政府は円安によるコスト高に苦しむ中小企業の負担を軽減するた め、大手輸出企業から取引企業への利益還元を促している。西村康稔内 閣府副大臣はブルームバーグとの5日のインタビューで「大手の企業は 円安で収益が上がっているのだから、その分しっかりと中小企業に還元 するよう合意をさせる」と述べた。

日本銀行の量的・質的緩和を背景に対ドルで8年ぶりの円安となっ た為替市場に対しては、歓迎と同時に不満の声も挙がっている。大手輸 出企業は円安によって利益を大きく伸ばし、株式相場が上昇したもの の、内部留保が膨らむばかりで、賃金の伸びもインフレ率をさほど上回 っていない。

西村副大臣はインタビューで中小企業、製造業について、「さまざ まな材料費が上がるので、仕事は忙しくなったけどなかなか利益が出な い状況」だと説明した。西村氏はアベノクス推進の中心である甘利明経 済再生相の右腕的存在。

好循環実現

経団連の浜田氏は「今は経済の好循環実現に向けて、政官民でやっ ていくんだという時期」であるとし、「強制するわけではないが、協力 してくれとお願い」をしていると述べた。

安倍晋三首相は、大手企業に景気回復への貢献を繰り返し求めてい る。麻生太郎財務相は企業の内部留保に対する追加課税を検討するべき だとの認識を示している。

安倍首相の就任以来、円相場は対ドルで29%下落し、トヨタ自動車 など代表的な輸出企業は過去最高の収益を挙げている。日経平均株価は 4月に2万円の大台を回復するなど15年ぶりの高値を付けた。

--取材協力:西前 明子.