グロース氏、「空前絶後のショート」の機会を生かせず

著名債券投資家ビル・グロース氏は自身の声 に耳を傾けておくべきだったようだ。

「ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファン ド」の運用に携わるグロース氏は、ドイツ国債の急落直前に「空前絶後 のショート」機会だと指摘していた。しかし同氏自身は独国債の下落に 徹底的に賭ける代わりに、同国債が少なくとも当面は狭いレンジでの動 きになると予想していたことが、ジャナス・キャピタル・グループのウ ェブサイトに掲載のデータで示された。

グロース氏が4月21日のインタビューで独国債の空売りを提言して 以降、同氏のファンドが2.1%下落したのは、こうした予想に基づく取 引が一因だった可能性がある。この下落により同ファンドのそれまでの 上昇は帳消しとなった。独国債相場は予想通り下落したものの、ファン ドのリターンは年初来ではほぼ変わらずの水準にある。

欧州債相場の急落のスピードと規模は、同氏や他のマネーマネジャ ーらにとっても想定外だったのかもしれない。欧州債の下落で世界の債 券市場の価値は約4300億ドル(約51兆円)減少。6日には独10年国債利 回りは今年最高に達した。

ジャナス・グローバル・アンコンストレインドの3月末時点のポー トフォリオの保有一覧によれば、同ファンドはコールオプション(買う 権利)を利用し、独10年債の先物価格がそれほど上昇しないことに賭け ると同時に、先物価格が一定水準を割り込まないと見込んでプットオプ ション(売る権利)を売っていた。ジャナスの広報担当、エリン・フリ ーマン氏はコメントを控えた。

原題:Gross’s ‘Short of a Lifetime’ Sours as Bund Slump Turns Volatile(抜粋)