日本株下落、米統計や海外金利の上昇警戒-時価総額上位安い

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7日の東京株式相場は下落。米国景気指標の 低調、欧米金利の上昇に対する警戒が広がった上、株価の割高感も意識 された。電機や輸送用機器など輸出関連、情報・通信や医薬品など時価 総額上位業種が下げ、不動産株、今期大幅減益計画のベネッセホールデ ィングスの急落が響いたサービス株も安い。

TOPIXの終値は前営業日比10.97ポイント(0.7%)安 の1574.64と3日続落、日経平均株価は239円64銭(1.2%)安の1 万9291円99銭と反落した。

三井住友アセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネージ ャーは、「海外金利の動きに不透明感があり、昨年から続いたグローバ ルデフレの流れが終わったのかを見極める必要がある」とし、「ここか ら一段と金利が上昇していくと、『悪い金利上昇』になりかねない」と 懸念を示した。

東京市場が大型連休期間中だった1-6日の米S&P500種株価指 数の騰落率は、通算で0.3%安。5日発表の3月の米貿易赤字は約6年 ぶりの高水準に拡大し、ADPリサーチ・インスティテュートが6日に 発表した4月の米民間部門の雇用者数は前月比16万9000人増と、エコノ ミスト予想の中央値(20万人増)を下回った。

「米国景気は3月が底で4-6月は回復するという見方が基本だっ たが、これまで出てきた4月の数字も悪い。4月の雇用統計次第では、 センチメントが一段と悪化する可能性がある」といちよしアセットマネ ジメントの秋野充成執行役員は言う。7日のドル・円相場はおおむね1 ドル=119円40-50銭台で推移、1日の日本株市場の終値時点119円73銭 からはやや円高水準だった。

米独債利回りは昨年12月来水準

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は6日、ワ シントンでの講演後の質疑応答で、「現時点で株式市場のバリュエーシ ョンが総じてかなり高くなっていることに留意してほしい」と発言。さ らに、「債券のような安全資産のリターンに比べれば、株式のリターン はさほど高くない。債券のリターンも非常に低い。しかし、ここに危険 性が潜んでいる可能性がある」と述べた。債券利回りについては、初回 利上げをきっかけに「急激に上昇する可能性がある」とした。

議長発言を材料に、同日の米10年債利回りは2.25%、ドイツ10年債 利回りは一時0.6%と昨年12月以来の高水準を付けた。国内でも10年債 利回りが上昇。三井住友アセットの金本氏は、海外での金利低下は行き 過ぎていた上、世界では金融緩和で余剰資金も多く、「ポジション調整 でもそれなりのインパクトが起きてしまう」と話している。この日の日 本株市場では、東証1部の時価総額と流動性上位30社で構成される TOPIXコア30指数が1%安と下げがきつかった。

また、丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「1-3月米GDPがマ イナスになるかもしれない上、イエレン議長発言も加わり、泣きっ面に 蜂」とし、需給面では裁定買い残の多さも先物主導下げが大きくなりや すい要因とみていた。

東証1部33業種は空運、サービス、精密機器、パルプ・紙、ゴム製 品、不動産など27業種が下落。電気・ガスや保険、石油・石炭製品など 6業種は上昇。東証1部の売買高は23億6567万株、売買代金は2兆8618 億円。値上がり銘柄数は694、値下がりは1044。

売買代金上位では、子会社の米スプリント決算を受けソフトバンク が下げ、ファナック、JT、日本航空、三井不動産、アステラス製薬、 リクルートホールディングスが安い。大幅減益見通しや進研ゼミ会員数 の減少が嫌気されたベネッセHは急落。これに対し、富士通や東京電 力、IHI、前期純利益が従来計画から上振れた第一生命保険は高い。

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