【クレジット市場】アップル初の円債発行か、電話会議開催へ

米アップルは円建て債起債に向け、7日に投 資家との電話会議を開始する。アップルは既にユーロ建てやスイス・フ ラン建ての社債を発行している。

アップルは一連の投資家電話会議の幹事として、ゴールドマン・サ ックス・グループと三菱UFJフィナンシャルグループを起用したと、 ゴールドマンが1日に電子メールで明らかにした。その後に起債する可 能性があるという。ブルームバーグがまとめたデータによれば、円建て 債発行はアップルにとって初めてとなる。

物言う投資家のカール・アイカーン氏などが株主への利益還元拡大 を求める中、アップルは世界的に低い金利を生かしてその原資を確保し ようとしている。海外の発行体による円建て起債は今年に入り細ってい るため、日本の投資家からの需要は見込める。投資家はまた、世界的ト ップクラスの製造業企業の社債を加えることでポートフォリオの多様性 を高めることができると、大和証券グループが指摘した。

大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは「サムライ債 や、円建てで海外の発行体のものはほとんどが金融機関債なので、業種 の分散という意味でアップルのような製造業の円債があれば投資家サイ ドとしては歓迎だと思う」と述べた。アップルは「格付けがいいし、ネ ームもいい」と付け加えた。

アップルは先週、増配と自社株買い増額によって2017年3月末まで の株主還元プログラムの規模を700億ドル(約8兆3900億円)拡大する と発表した。

SMBC日興証券の伴豊チーフクレジットアナリストは、アップル は誰もが知っている有名企業なので安心感があると指摘。スプレッドが 悪くなければ多くの投資家が買うだろうと話した。

一方で、円建て債の利回りの低さから敬遠する投資家もいそうだ。 バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、サム ライ債の平均利回りは5日に0.48%と、1月に記録した0.44%に近づい た。0.44%はデータ算出を開始して以来の最低。

富国生命保険の鈴木善之・資金債券部長は「今は円債券に魅力を感 じていない」とし、「よほどスプレッドが乗ってくれば考えないことは ない」という姿勢だと述べた。

東京在勤のアップルの広報担当、竹林賢氏は1日の電話取材に対し コメントを控えた。

欧州の一部の国では国債利回りが日本よりさらに低いため、欧州の 投資家が買う可能性もある。

ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメント の調査アナリスト、ジャック・マッキンタイア氏は1日の電話インタビ ューで、海外の投資家が円建て債に投資するには「円について前向きで なければならないが、当社はそうではない」と指摘。ドルが上昇すると 考えれば、最終的に資金をドルに戻さなければならない投資家にとって 円建て債の妙味は薄いと語った。

アップル債に関心を持つ日本の投資家は年限によってタイプが異な るだろうと大和の大橋氏は指摘。地銀は5年程度の中期債、保険会社な らもっと長期を好むだろうと述べ、アップルが円建てで起債すると決め たのならば特定の投資家層に狙いを定めるのだろうと話した。

原題:Apple Reaches Out to Investors as Debut Yen Bond Sale Considered(抜粋)

--取材協力:Tim Higgins、Michelle F. Davis.

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