ドルはさらに不安定へ、欧州債利回り上昇で-ノルドビグ氏

欧州債の利回りが上昇し、米国資産の需要が 減退すると、ドルは重要な支援材料の一つを失う恐れがあると、野村ホ ールディングスの通貨調査担当マネジングディレクター、イェンス・ノ ルドビグ氏が5日付のリポートで指摘した。

米10年債と同年限ドイツ債の利回り格差はほぼ6週間ぶりの水準に 縮小。その一方でイタリア債利回りは1月以来の最高に上昇した。ノル ドビグ氏はこれが欧州から米国へと資金を振り向ける投資妙味を損なう ことになると分析した。

ノルドビグ氏は「これは世界の信用市場と米ドルに悪影響を及ぼす 可能性がある」と指摘。「2014年夏以降、債券の純流出が大きく増えて いるのが分かる。しかし最近の動向を見ると、この傾向が少なくとも短 期的に反転する可能性がある」と続けた。

欧州中央銀行(ECB)が着手した資産購入プログラムの影響でユ ーロ圏全体でソブリン債利回りは今年低下した。これを受けて投資家は 域内から資金を引き揚げ、その多くを米国資産に振り向けた結果、ドル が大幅に上昇した。

ただ市場予想を下回る一連の経済統計が発表され、米国の利上げ観 測が後退するとドルは下落。欧州でECBの刺激策が効果を表し始めた ことも影響した。

トレーダーはドルの買い持ちを縮小しているが、ノルドビグ氏は持 ち高解消がさらに進む可能性もあると指摘。「債券と株式の弱さに加 え、ユーロの反発が多くのシステマティックなトレーダーにとってかな りの痛手になる可能性が高い」と述べた。

原題:Dollar Wobble to Worsen as European Yields Rise, Nomura Says (1)(抜粋)