円安の利益は中小に還元を、政府が大手企業に圧力-西村副大臣

政府は円安によるコスト高に苦しむ中小企業 の負担を軽減するため、大手輸出企業から納入業者への利益還元を促す 意向だ。西村康稔内閣府副大臣が明らかにした。

西村副大臣は5日、ニューヨークのブルームバーグ本社でインタビ ューに応じ、円安にマイナスの側面があることを認めた上で、「経団連 に対し、中小企業との取引価格を上げるように、ちゃんとコストを割っ た分をみてくれるよう」働き掛ける考えを示した。「大手の企業は円安 で収益が上がっているのだから、その分しっかりと中小企業に還元する よう合意をさせる」と述べた。

日本銀行の量的・質的緩和を背景に対ドルで8年ぶりの円安となっ た為替市場に対しては、歓迎と同時に不満の声も挙がっている。大手輸 出企業は円安によって利益を大きく伸ばし、株式相場が上昇したもの の、内部留保が膨らむばかりで、賃金の伸びもインフレ率をさほど上回 っていない。

安倍晋三首相は、大手企業に景気回復への貢献を繰り返し求めてい る。麻生太郎財務相は企業の内部留保に対する追加課税を検討するべき だとの認識を示した。

西村副大臣は中小企業、製造業について、「さまざまな材料費が上 がるので、仕事は忙しくなったけどなかなか利益が出ない状況」だと説 明した。西村氏はアベノクス推進の中心である甘利明経済再生担当相の 右腕的存在。

安倍首相の就任以来、円相場は対ドルで29%下落し、トヨタ自動車 など代表的な輸出企業は過去最高の収益を挙げている。日経平均株価は 4月に2万円の大台を回復するなど15年ぶりの高値を付けた。

円安について西村氏は、「われわれは為替のレベルをターゲットに しているのではない」と言明。「さまざまな政策、日本の政策あるいは 米国やヨーロッパの政策の結果やファンダメンタルズを反映する」と述 べた。

原題:Japan Pushes Big Companies to Pass Yen Benefits on to Suppliers(抜粋)