ギリシャ見通し、EU下方修正で救済条件達成はますます困難か

欧州委員会は5日、ギリシャの今年の成長率 見通しを0.5%に下方修正した。財政危機をめぐる行き詰まりが経済に 響くと予想するもので、ギリシャが救済条件を達成するのはますます困 難になりそうだ。

ギリシャの成長率見通し下方修正は、欧州連合(EU)の行政執行 機関である欧州委の春季経済予測の一環。2月時点では2.5%を予想し ていた。

欧州委は「成長を支える環境はあるものの、不透明感と厳しい資金 環境が回復を抑え公的財政に重しとなっている」と指摘。ギリシャ経済 は昨年に2007年以来のプラス成長を遂げたものの、そのプラスの勢いは 「昨年12月の解散・総選挙の発表以降、不透明感による悪影響を受けて いる」と分析した。

ギリシャのチプラス首相は協議の状況について国際通貨基金 (IMF)のラガルド専務理事と会談したと、IMFは4日遅くに発 表。一方、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は同日、ユーロ圏の 債権者がギリシャ債務を「大幅に」減免しない限り、IMFが同国への 支援を打ち切る可能性があると域内諸国に伝えたと報じた。

欧州中央銀行(ECB)もしびれを切らしているもようで、一部の ECB当局者は銀行への流動性供給でギリシャが頼りにしているECB の緊急流動性支援(ELA)を制限する可能性を示唆している。これを めぐる協議は6日にもECBの政策委員会で行われる公算がある。

流動性逼迫が長引けば、ギリシャの脆弱(ぜいじゃく)な景気はま すます脅かされる。欧州委は見通しを下方修正した理由に、ギリシャが 救済を受ける上で合意したコミットメントへの政府スタンスが不明確で ある点を挙げた。一方で今回の下方修正で、ギリシャ側には債権者が求 める財政目標の達成はできないと言い訳する余地を与えかねない。

クレディ・アグリコルCIBのエコノミスト、フレデリック・デュ クロゼ氏は「ギリシャの経済環境はひどく速いペースで悪化している」 とし、「これは歳入にも協議環境にとってもマイナスだが、ギリシャに は今年と来年のプライマリーバランスの黒字を話し合う上で幾分の交渉 力を与えることになる」と説明した。

欧州委は今年のギリシャのプライマリーバランス(基礎的財政収 支)の黒字見通しを国内総生産(GDP)の2.1%とし、2月時点に予 想していた4.8%から引き下げた。救済プログラムで目標としているの は3%だが、プライマリーバランスの定義はギリシャと欧州委で異なっ ており、同国は1.5%が現実的だと主張している。

原題:Greek Outlook Cut by EU as Officials Press Case on Bailout Deal(抜粋) 原題:IMF Warns Creditors It May Cut Off Support to Greece: FT (抜粋)

--取材協力:Paul Tugwell、Nikos Chrysoloras.