NY外為:ドル反落、米貿易赤字の拡大で成長見通しを懸念

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5日のニューヨーク外国為替市場ではドルが 4日ぶりに下落。朝方発表された3月の米貿易赤字が約6年ぶりの水準 に拡大したことから、景気が好転しているとの見方に疑問符が付いた。

先週発表された第1四半期の実質国内総生産(GDP)では米景気 の停滞が示唆された。景気が利上げに耐え得るかどうかを計る上で、8 日に発表される4月の雇用統計に注目が集まっている。

オアンダ(カナダ・トロント)のシニア通貨アナリスト、アルフォ ンソ・エスパルザ氏は「一連の残念なデータが発表され、ドルは騰勢を 失いつつある」と指摘。軟調な経済データは金融当局が6月以降に利上 げを先送りする可能性を示唆しており、「見通しの変化がドルを押し下 げるだろう」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット 指数は0.4%低下して1168.81。ドルは対ユーロで0.4%下げて1ユーロ =1.1185ドル。円は対ドルで続伸して1ドル=119円86銭。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ドルは過去1年間では18% 上昇と、調査対象となっている先進10カ国通貨の中で最もパフォーマン スが良好だ。

米貿易赤字

3月の米貿易赤字は約6年ぶりの高水準に拡大した。西海岸港湾の 労使紛争が解決し業務を再開したことから、輸入 が大幅に増加した。

商務省が5日発表した3月の貿易収支統計によると、財とサービス を合わせた貿易赤字(国際収支ベース、季節調整済み)は前月か ら43.1%増加して514億ドルと、2008年10月以来で最高だった。

サムソン・キャピタル・アドバイザーズ(ニューヨーク)のプリン シパル、ジョナサン・ルイス氏は、貿易収支統計は「ドル上昇に伴う輸 入コストの低下を示しており、消費者はその恩恵を受けているが長期的 に見ると米国の成長にとってはプラスにならない」と述べた。

米商務省が発表した第1四半期の米 GDPは前期比0.2%増。改定 値ではマイナスに修正される可能性があるとの懸念が広がった。そうな れば当局が事実上のゼロ金利を維持する可能性が高まる。

ドイツ銀行のG10為替戦略グローバル責任者、アラン・ラスキン氏 (ニューヨーク在勤)は「第1四半期GDPがマイナスとなれば、当局 が6月や7月に引き締めるのは相当厳しいだろう」と述べた。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、8日に発表 される4月の米雇用統計では23万人の雇用増が見込まれている。前月 は12万6000人増にとどまった。

原題:Dollar Snaps 3-Day Gain as Wider Trade Deficit Damps Growth Bets(抜粋)

--取材協力:Nikos Chrysoloras、Anooja Debnath、Lucy Meakin、Andrea Wong.