伊藤忠社長:今期純利益は最高益更新へ-減損の懸念を払しょく

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伊藤忠商事は1日、今期(2016年3月期)の 連結純利益(国際会計基準)を前期(15年3月期)比9.8%増の3300億 円と過去最高益の更新を見込むと発表した。前期に計上した資源関連の 大型減損損失の反動を見込むほか、1月に発表した中国政府系企業への 出資に伴う利益貢献などが寄与する。

同日会見した岡藤正広社長は「前期に資源分野で大規模な減損処理 を断行し、懸念資産には完全にめどをつけた」と指摘。純利益4000億円 を目指すとした今期から3年間の新中期経営計画を開始するにあたり 「新たに飛躍する第一歩にしたい」と述べた。

今期の純利益予想はアナリスト予想の平均2933億円を上回る。原油 や石炭などの資源価格は足元の水準よりも低く想定しているが、減損損 失を計上した反動でエネルギー・化学品部門と金属部門で利益回復を見 込む。

また、中国中信集団(CITIC)傘下の企業へ出資に伴う利益貢 献が150億円程度、タイ財閥チャロン・ポカパン(CP)グループへの 出資による利益貢献は70億円程度をそれぞれ見込む。3300億円の純利益 予想には想定外の損失に備えた200億円も織り込んだ。

年間配当は1株当たり50円と前期に比べて4円増配する。また、今 期から配当金の下限も設定する。17年3月期は55円、18年3月期は60円 と下限を引き上げていくことも発表した。

前期純利益は23%増

同時に発表した前期(2015年3月期)の純利益は前の期に比べ て23%増の3006億円だった。市況低迷などで資源分野で950億円の減損 損失の計上を迫られたが、株式評価益の計上や強みの非資源分野の利益 の伸びで増益を確保した。

減損損失は出資するブラジルの鉄鉱石事業で505億円、米シェール オイル・ガス事業で435億円となった。一方、中国の頂新ホールディン グの株式を持ち分法適用関連会社から一般投資に変更したことに伴い 約605億円の再評価益を計上するなど、有価証券損益が949億円改善。食 料部門や機械関連など非資源分野の純利益は前の期比53%増の3172億円 と過去最高だった。

岡藤社長は「非資源分野のさらなる成長を目指してきた取り組みが 実を結び、資源価格が低迷した局面においても期初計画をしっかりと見 据えた経営を実践できた」と振り返った。