ウォール街が熱中して証券化、バブル想起させる新たな対象は

インターネットを通じて借り手と貸し手を結 び付けるピア・ツー・ピア(P2P)レンディング。銀行を通じた従来 の貸し借りを変えられないかとの発想は風変わりにみえたものだが、今 やP2Pをあざ笑う者は誰もいない。ウォール街ももちろんのことだ。

誕生から10年足らずのP2Pは今や主流ビジネスの仲間入りを果た し、迂回(うかい)するはずだった大手金融機関の世界に取り込まれつ つある。

P2Pビジネスに夢中なのは投資ファンドだ。ローン債権を直接買 い上げ、これを銀行が束ねて証券化している。かつてのサブプライム住 宅ローン証券をほうふつさせる。

こうして今、P2Pと最大手レンディングクラブを含むこの業界の 企業がデリバティブ(金融派生商品)の世界に引きずり込まれている。 ウォール街の関与の強まりを歓迎する風潮がある一方、投資家がネット バブルや住宅ローンブームの時のように熱中し過ぎる可能性を警戒する 向きもある。P2Pのための新たなデリバティブはリスクヘッジに寄与 し得るが、市場に投機家を呼び込みかねないからだ。

「2000年に戻ったような感じだ」と語るのは、プロスパー・マーケ ットプレイスやソーシャル・ファイナンスを含め計15のP2Pプラット フォームに投資してきたQEDインベスターズのパートナー、フラン ク・ロットマン氏だ。「誰もが乗り遅れまいとしているが、追いかけて いる対象が何であるのか分かっているわけではなく、そこがちょっと怖 い」と付け加えた。

投資家が熱狂するのも、この低金利の世界では無理もない。質の高 いP2Pローンの利回りは約7.6%にもなる。一方、2年物の米国債利 回りは1日に0.59%で推移している。

だが、P2Pの急速な拡大はそこにリスクが生じる可能性への警戒 を高める。例えば、競争力を維持する目的で企業が基準を緩めないかと いう疑念が生じる。住宅ローンブーム時には、ウォール街の証券化マシ ンが疑わしい貸し付けをあおったものだし、関連デリバティブがリスク を世界中にまき散らし市場崩壊時に投資家の損失を膨らませたと言われ た記憶は新しい。

原題:Wall Street’s Latest Craze Meets Small Short in Derivatives (1)(抜粋)