安心感なくなったFOMC-世界中で中銀政策の予想困難に

米連邦公開市場委員会(FOMC)、それに 世界の多くの中央銀行の政策決定会合の行方について、もはや安心して 予想を立てることはできなくなってしまった。

コーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏はイ エレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長とその同僚が4月28、29日 両日のFOMCで利上げを「議論の対象とし、データに正面から集中す る」ことにしたと指摘し、「テクニカル的には最後の『安全』な FOMCだった」と述べた。

つまり今やFOMCの結果は予想し難く、金融当局によるフォワー ドガイダンスは終わったというのだ。ペルリ氏や他の大半のエコノミス トは9月のFOMCでの利上げを想定しているものの、今後どの FOMCで利上げがあってもおかしくない。予想が難しくなったのは FOMCだけではない。今週、政策決定会合を開いた多くの中銀が出し たメッセージはメッセージがないというものだった。

例えば日本銀行。4月30日の金融政策決定会合では政策を据え置い たが、黒田東彦総裁はこれまでこだわってきた2年程度での物価目標の 達成を事実上断念。これにより日銀が年内に資産買い入れを強化する必 要が生じるとの観測が高まった。

成長鈍化に直面する中国人民銀行にも緊張感がある。すでに利下げ を実施し、預金準備率も引き下げた人民銀が、地方政府債の需要を支え るため貸し出しプログラムの1つを拡大することを検討していると今週 報じられた。

ニュージーランド準備銀行は30日、政策金利を据え置いたが、ウィ ーラー総裁は需要と物価が弱まれば利下げする意向を示した。その前 日、スウェーデン中銀は主要政策金利をマイナス0.25%に据え置く予想 外の決定を下した一方で、国債購入の拡大方針を表明。インフレ目標達 成のため追加措置を講じる「用意」があるとしている。タイ中銀は2会 合連続での予想外の利下げに踏み切り民間エコノミストを惑わした。イ ンフレと輸出をめぐる懸念から一段の利下げも近い可能性がある。

ロシア中銀は30日、市場の予想よりも大幅に政策金利を引き下げ た。リセッション(景気後退)回避に向けた1.5ポイントの利下げで、 政策金利は12.5%となった。インフレリスクがさらに弱まれば追加利下 げの用意があるという。

ある程度明解だったのがブラジル中銀だ。市場の予想通り主要政策 金利を0.5ポイント引き上げ13.25%とし、6月に追加利上げする可能性 を示唆した。だが世界の大半の中銀について言えば、今は政策決定を安 心して待つことはできなくなった。

原題:Central Banks ‘Safe’ No Longer as Yellen & Co. Keep Options Open(抜粋)

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