「見せ玉注文」は事実上の禁句か-CME会見で一切言及なし

「フラッシュ・クラッシュ」と呼ばれる2010 年の世界的な株式相場急落に一役買ったとされるトレーダーの逮捕は、 最近10日間にわたり先物市場が注目する世界のトップニュースとなっ た。しかし、先物取引所を運営する米CMEグループが4月30日の四半 期決算発表で開催した電話会見に参加しても、それをうかがい知ること はできなかったろう。

英国在住のトレーダー、ナビンダー・シン・サラオ容疑者は、約定 を意図しない見せ玉を注文する「スプーフィング」と呼ばれる取引手法 を使って市場の操作を5年間続けたとして、4月21日に逮捕された。 CMEの電話会見では、ピューピンダー・ギル最高経営責任者 (CEO)とジョン・ピートロウィックス最高財務責任者(CFO)が アナリストの質問を受けたが、CME運営の市場が舞台となったとされ るこの事件が取り上げられることは決してなかった。

ヒューストン大学のクレイグ・ピロング教授(金融学)は「皆がそ の話で持ち切りであり、CMEも批判を浴びているのに誰もそれを尋ね なかったことに驚かされる」と発言。米当局が主張するサラオ容疑者の 罪状が誇張されているとの分析を示す一方、トレーダーの行為がこれほ ど長期間続いたと当局が指摘していることは、CMEのコンプライアン ス(法令順守)プログラムの問題を提起するとの見方を表明した。

主要な監督当局によれば、CMEに関係するスプーフィングの苦情 がトレーダーや投資家から毎週多数寄せられている。10年5月6日に起 きたフラッシュ・クラッシュでは、米株式市場の時価総額が約1兆ドル (現在の為替レートで約119兆6000億円)失われたが、その原因となっ た取引にサラオ容疑者が関与したと米検察当局は主張している。

CMEはグループの商品が相場急落を引き起こす要因ではなかった ことが独自の調査結果で示されたと先週発表した。

原題:Spoofing Elephant in Room Goes Unmentioned During CME Call (1)(抜粋)

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