野村:1-3月純利益は2年間で最大、海外は訴訟関連で通期赤字

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野村ホールディングスの1-3月(第4四半 期)連結純利益(米会計基準)は前年同期比34%増の820億円だった。 相場上昇を背景に株式などの活発な取引が続く中、委託手数料や投資信 託の関連収益が伸びたほか、トレーディングも好調だった。純利益は8 四半期ぶりの高水準となった。30日に東証で開示した。

同社が連結純利益はブルームバーグがまとめたアナリスト8人の予 想平均値586億円を上回った。2015年3月通期の純利益は前の期比5.2% 増の2248億円だった。前期での黒字化を目指していた海外部門の税前損 益は164億円の損失と、係争関連費用の引き当て発生により通期では5 期連続の赤字となった。今期500億円の目標は変えなかった。

野村は08年秋にサブプライム問題で経営破綻したリーマン・ブラザ ーズの欧州・アジア事業を承継したが、人件費負担などが野村全体の収 益力を低下させた。これを受け12年に就任した永井浩二最高経営責任者 (CEO)が10億ドルのコスト削減に着手。現在は収益拡大が見込める ビジネスの強化を進めている。

決算会見で柏木茂介最高財務責任者(CFO)は海外部門について 「係争事案の引き当てがなければ黒字だった。ワンタイムの影響とはい え黒字化目標が達成できず大変残念」と述べた。また、今回引き当てを 行った係争の案件名や金額、地域などの詳細については言及を避けた。

今後のリスク

同CFOは同日夜開かれたアナリスト向け電話会議でも、引き当て は「現段階で見えているものは対応した」と述べるにとどめ、伊銀行モ ンテ・パスキの損害賠償請求事案など、今後の訴訟関連リスクについて 言明しなかった。

第4四半期の収益合計は、前年同期比13%増の5100億円。委託・投 信募集手数料が38%増の1237億円、アセットマネジメント業務手数料 が28%増の543億円、トレーディング損益が3.9%増の1343億円だった。 投資銀行業務手数料は約5%減の258億円となった。海外の税前損益は 欧州、アジアは黒字を確保したが、米州は142億円の赤字だった。

SMBC日興証券の丹羽孝一シニアアナリストは、過去2年で最大 になった野村の第4四半期純利益について「意外に数字が出て好印象」 と評価。海外部門では「コスト削減などの成果が出始めている中、黒字 化にはトップラインを伸ばすことが必要。今後、どの程度シェアを取っ ていけるかにかかっている」と指摘する。

期待される海外ビジネス

東京証券取引所によれば、1-3月の1日当たり株式売買代金(第 1部、2部、マザーズ、JASDAQ)は約2兆9860億円で前年同期 比3.7%増、日経平均株価は10%上昇した。ブルームバーグのデータに よると野村HDは同四半期、日本株関連の引き受けで25件・4138億円で 1位。日本企業関連の合併・買収(M&A)助言もトップだった。

SMBC日興の丹羽氏は、野村の海外ビジネスについて「まずは黒 字化を達成することが重要」と指摘。多彩な人的資源を持つ野村は日本 の金融機関の中でも「海外で稼げる位置にあり、市場から期待されてい る」と述べた。

野村に先立ち大和証券グループ本社が28日に発表した連結純利益は 第4四半期が同16%増の385億円だった。15年3月期通期では同12%減 の1485億円と過去最高だった前の期から縮小した。

(第1段落で1-3月純利益の前年同期比増減率を訂正済みです)

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