TOPIX続落、流動性変調と業績肩透かし警戒-連休前売り

更新日時

1日の東京株式相場は、TOPIXが続落。 世界的な過剰流動性の変調や事前の期待ほど伸びない国内企業業績に警 戒感が広がり、大型連休を控えた持ち高整理の動きも出た。銀行や不動 産株が下げ、原油市況の続伸で海運や陸運、電気・ガスなど原油安恩恵 業種も安い。個別では、今期営業減益計画の富士通が急落。

TOPIXの終値は前日比7.18ポイント(0.5%)安の1585.61。一 方、日経平均株価は11円62銭(0.1%)高の1万9531円63銭と小幅に反 発した。

三菱UFJ投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、 「需給整理をしないといけない段階にあった。過熱感があったところ に、連休前の手じまい売りも出やすかった」と言う。決算内容が芳しく ない業種、銘柄に売りが出るのは自然な流れで、「企業は保守的な決算 を出しており、売り上げを伸ばし、増収増益に持っていくのは簡単では ない」と指摘した。

前日の米国株は、ナスダック総合指数が1.6%安となるなど主要株 価3指数がそろって下落。ハイテクやバイオ、小型株の下げが目立ち、 投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX) は8.7%上昇の14.55と、4月7日以来の高水準となった。欧州市場で は、株式はやや落ち着きを見せたが、ドイツの10年債利回りは2日連続 で上昇、この間の上昇幅は2011年11月以来の大きさだった。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数は、前週比3 万4000件減少の26万2000件と2000年4月以来の低水準で、4月のシカゴ 地区製造業景気指数は52.3と前月の46.3から上昇した。4月29日の米連 邦公開市場委員会(FOMC)以降、再び利上げ時期をめぐり市場参加 者の心理が不安定になっている。

ゴルディロックスの信頼揺らぐ

野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテ ジストは、米国の緩やかな金利上昇、日欧の金融緩和続行で経済が適温 に保たれる「『ゴルディロックス』の見方から、G3そろって金融政策 面の後押しが弱まるのではないかという懸念が出てきており、市場が見 ている風景が変わった」と言う。

不安定な海外市場の流れを受け、きょうの日本株はリスク回避の売 りが先行。前日に日経平均がことし最大の下げ幅(538円)を記録した 後だったが、「5連休前で積極的なリバウンドは追いにくい」と松井証 券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは話した。ただ、 TOPIXは終日軟調の半面、一時120円安まであった日経平均は結局 プラス圏で終えた。

総務省がけさ発表した3月の全国消費者物価指数(CPI)は、生 鮮食品を除くコアベースで前年比2.2%上昇。消費税増税の影響を除く ベースでは8カ月ぶりに伸びが拡大、前月は2.0%上昇だった。日本銀 行は前日公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、15年度の コアCPIの前年比見通しを従来の1%上昇から0.8%上昇に下方修 正、2%程度に達するのは16年度前半ごろと、従来の15年度を中心とす る期間から先送りした。

バークレイズ証券の永井祐一郎エコノミストは、コアCPIは「5 月にはついに約2年ぶりの前年比マイナスに転じる可能性が高まった」 とみている。今後の日銀政策動向に引き続き注目する向きは多い。きょ うのドル・円相場は1ドル=119円40-70銭台と、前日の日本株市場の 終値時点118円59銭に比べ円安方向で推移した。

東証1部33業種は不動産、倉庫・運輸、金属製品、海運、電気・ガ ス、銀行など29業種が下落。食料品、医薬品、非鉄金属、ガラス・土石 製品の4業種は上昇。海運など原油安メリット業種は、供給過剰観測の 後退で前日のニューヨーク原油先物が1.8%高の1バレル=59.63ドルと 続伸したことがマイナス材料となった。東証1部の売買高は22億3184万 株、売買代金は2兆6073億円。値上がり銘柄数は353、値下がり1431。

売買代金上位では、今期の営業減益計画と野村証券の投資判断引き 下げを受けた富士通が急落。前期業績が従来計画に届かなかったヤマト ホールディングスも安い。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井 住友フィナンシャルグループ、パナソニック、三菱地所も下げた。三菱 UFJ、三井住友Fのメガバンク両行は、日経平均採用銘柄の4月月間 パフォーマンスで上昇率上位に並んでいた。これに対し上期増収増益の コロプラのほか、JTや日東電工、TOTOは高い。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE