4月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが13年以降で最長の連続安-利上げ観測が後退

29日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが下落。2013年8月以 降で最長の連続安となった。米経済成長鈍化の兆候で金融当局の利上げ が遅れるとの観測が広がった。

この日発表された連邦公開市場委員会(FOMC)の声明では、経 済成長の減速を指摘した上で、「一過性の要因」を一部反映したと説 明。またインフレは上向きつつあるとの認識を示した。こうした声明の 内容を手掛かりに、ドルはこの日の最安値圏からは回復した。ドルはこ のままいけば月間ベースでは、昨年6月以降で初の値下がりとなる。こ の日発表された国内総生産(GDP)をはじめ、予想を下回る経済指標 が背景にある。

チャプデレーン(ニューヨーク)の為替責任 者、ダグラス・ボー スウィック氏は「6月の利上げを見込んでいた人は失望したかもしれな い」とし、「市場では金融当局がまだ利上げには動かないとの見方が広 がっており、ドル売りが続いている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.5%低下 の1165.32。終値ベースで2カ月ぶり安値となった。一時は1%下げる 場面があった。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ドルは過去1年間に16%上 昇。世界の中央銀行が刺激策を拡大させる一方で、米当局は年内に利上 げに動くとの見方が背景にある。

FOMC声明

FOMC声明では、労働市場が一層改善し、インフレ率が中期的に 2%の目標に戻っていくと合理的に確信した場合は、利上げが適切にな るとの考えをあらためて示した。これを受け、ドルは下げを縮小した。 声明では「経済成長は一過性の要因を一部反映し冬季に減速した」と記 された。

前回3月のFOMC声明では、4月会合での利上げの可能性は低い と説明していた。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は「FOMCは軟調なデータを認めたが、フォワ ードガイダンスの妨げにはほとんどなっていない」と分析。「よって、 FOMCとともに再びデータを注視していくことになる」と続けた。

1-3月期GDP

米経済は1-3月(第1四半期)、辛うじてプラス成長を維持する にとどまった。設備投資や輸出が大きく落ち込んだ。

米商務省の29日発表によると、第1四半期の米実質国内総生産( GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比0.2%増と、前期の2.2% 増から減速。ブルームバーグがまとめたエコノミスト86人の予想の中央 値は1%増だった。

ブルームバーグがエコノミスト59人を対象に先週実施した調査で は73%が、当局は9月まで利上げ決定を待つと予想している。

原題:Dollar on Worst Streak Since ’13 as Slow Growth Cuts Fed Bets(抜粋)

◎米国株:反落、GDPが景気失速を示唆-FOMCは一過性と指摘

29日の米国株式相場は反落。第1四半期の米経済の成長ペースが失 速したことを嫌気した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は景気減速 の要因の一部が一過性のものだとの認識を示し、市場では初回利上げの タイミングに関心が集まった。

S&P500種株価指数は前日比0.4%下げて2106.85で引けた。一時 は0.8%下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は74.61ドル (0.4%)安い18035.53ドル。ナスダック総合指数は0.6%下落。ラッセ ル2000指数は1%下げた。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ(ニューヨーク)の米国 投資ストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏は電話取材に対し、 「6月利上げはないとの見方が裏付けられた」と指摘。「しかし第1四 半期の景気が低迷した原因の一部は一過性の要素にあると、当局は判断 しているため、まだ疑問は残る」と述べた。

米金融当局は2006年以来で初となる利上げを年内に実施するとの見 方を明らかにしつつ、決定はデータ次第だと述べている。前回の FOMCでは4月の利上げの可能性は極めて低いことが示された。

今回のFOMCは声明で、「経済成長は、一過性の要因を一部反映 し冬季に減速したことが示唆された。雇用の増加ペースは緩やかにな り、失業率は横ばいが続いた。労働市場のさまざまな指標は労働力の活 用不足の状況がほぼ変わらなかったことを示唆している」と指摘した。

経済成長は失速

朝方発表された国内総生産(GDP)統計では、1-3月の経済成 長が失速したに等しかったことが明らかになった。

米商務省の発表によると、第1四半期の米実質国内総生産( GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比0.2%増と、前期の2.2% 増から減速。ブルームバーグがまとめたエコノミスト86人の予想の中央 値は1%増だった。

プルデンシャル・ファイナンシャルの市場ストラテジスト、クイン シー・クロスビー氏は「声明から『一過性』という表現がなければ、株 式相場はプラスに転じていただろう」と語る。「この言葉が現実に声明 に記されているということは、当局が本当に一過性だと信じており、近 く景気が持ち直すと見ていることの表れだ」と続けた。

S&P500種は4月に入ってから1.9%上昇。3月の下落から持ち直 しつつある。医薬品のメルクやソフトウエアのマイクロソフトの決算が アナリスト予想を上回ったことが背景にある。現在の決算シーズンで四 半期業績を発表したS&P500種採用企業のうち、約74%で利益がアナ リスト予想を上回った。売上高が予想を上回ったのは48%。

ヘルスケア、航空、ツイッター

S&P500種の業種別10指数のうち、この日はヘルスケアや生活必 需品など7指数が下げた。

ヘルスケア銘柄ではヒューマナが7.2%下落。四半期決算が予想を 下回った。

原油価格が大きく上げたことを嫌気し、航空株も安い。アメリカ ン・エアラインズ・グループとユナイテッド・コンチネンタル・ホール ディングスはいずれも大きく下げた。

前日に予定より早い決算報道で18%急落した簡易ブログのツイッタ ーは続落し、この日は8.9%下落。2日間の下げとしては2013年11月の 上場以来で最悪。

原題:U.S. Stocks Decline as Economic Growth Slows Amid Fed Comments(抜粋)

◎米国債:3日続落、FOMCが利上げ時期の手掛かり与えず

29日の米国債相場は下落。利回りは6週ぶり高水準をつけた。米連 邦公開市場委員会(FOMC)は28、29 両日開催した定例会合後に声 明を発表したが、利上げ時期やそのペースについて新たな示唆はほとん ど与えなかった。

欧州債の下落に伴い米国証券の投資妙味が後退したことも、米国債 の売りにつながった。FOMCは声明で、景気が減速したのは一過性の 要因を一部反映しているためだと指摘。これを受けて利回りは一時的に 下げる場面もあったが、声明には政策方向性の手がかりがないと受け止 められ、売りが再開された。

GAMアンコンストレインド・ボンド・ストラテジーのジャック・ フレアティ氏(ニューヨーク在勤)は「経済データを見ながら『一過性 の弱さ』だと考えているのは当局者も同じだ」と述べ、「ただ当局者の 予想はほかより優れているわけではない」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.04%。同年債価格(表面利率2%、2025年2月償 還)は10/32下げて99 21/32。

ユーロ圏でインフレ加速の兆候や原油価格の安定を背景に欧州債の 売りが促されたことに反応し、米国債利回りは上昇した。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ジョン・ブリッ グス氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は国債について、「見 方が若干変わってきたようだ」と述べ、「世界全体で大量の刺激が必要 だとの見方」だったのが、「リフレーションというテーマが若干意識さ れるようになったみたいだ」と続けた。

米GDP統計

商務省の発表によると、第1四半期GDP(季節調整済み、年率) 速報値は前期比0.2%増と、前期の2.2%増から減速。ブルームバーグが まとめたエコノミスト86人の予想の中央値は1%増だった。

FOMCは「生産と雇用の伸びは1-3月期に減速したが、委員会 は引き続き、適切な政策緩和により経済活動が緩やかなペースで拡大」 すると見込んでいる。

ブルームバーグがまとめた最新の調査によると、エコノミストの大 半は少なくとも9月までは利上げがないと予想している。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券取引 責任者、ゲーリー・ポラック氏は「6月利上げはないだろう。9月がよ り有力だ」と述べた。

原題:Treasuries Decline 3rd Day as Fed Offers Few Interest-Rate Clues(抜粋)

◎NY金:下落、FOMCが景気減速は一時的要因を反映と指摘

29日のニューヨーク金相場は3週間ぶり高値から下落。米連邦公開 市場委員会(FOMC)声明で、冬季の景気減速が一過性の要因を一部 反映したものと指摘されたことから、景気拡大基調に変化はないとの見 方が台頭し、利上げが遅れるとの観測が後退した。

STAウェルス・マネジメント(ヒューストン)のチーフストラテ ジスト、ランス・ロバーツ氏は電話インタビューで、「金は歴史的に不 安に基づく取引として機能する」と指摘。「FOMCが本日のようなメ ッセージを送り続ける限り、金を保有する理由はない」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時42分現在、金直物相場は前日比0.4%安 の1オンス=1207ドル。前日には1215.16ドルと、7日以来の高値をつ けていた。

原題:Gold Prices Retreat From Three-Week High as Fed Damps Rate Hopes(抜粋)

◎NY原油:急反発、4カ月ぶり高値-クッシング在庫減少で

29日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が大きく反発し、4カ月ぶり高値に達した。 米石油受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫が昨年11月以 来で初めて減少したことを好感した。

トータス・キャピタル・アドバイザーズ(カンザス州リーウッド) のマネジングディレクター兼ポートフォリオマネジャー、ロブ・サメル 氏は電話取材に対し、「クッシング在庫が50万バレルほど取り崩された と分かった瞬間、価格は上昇した」と指摘。「米国での原油生産は頭打 ちになったようだ。掘削装置(リグ)稼働数の減少が影響を及ぼし始め た」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比1.52ドル(2.66%)高い1バレル=58.58ドルで終了。終値としては 昨年12月11日以来の高値。4月に入ってからは23%の値上がり。

原題:Oil Jumps to Four-Month High on Optimism Supply Glut to Ease(抜粋)

◎欧州株:今年最大の値下がり、鉱山株安い-輸出銘柄にも売り

29日の欧州株式相場は下落し、指標のストックス欧州600指数は昨 年12月以来の大幅安となった。ユーロ上昇を受けて、輸出銘柄が下げ幅 を拡大した。

ドイツのタイヤメーカー、コンチネンタルと、独自動車メーカーの フォルクスワーゲン(VW)が大きく下げ、自動車関連銘柄は業種別指 数の中で最大の値下がりとなった。ドイツ株の指標であるDAX指数は ここ約1年で最悪の3.2%安となり、この日の西欧市場の主要株価指数 の中で1、2位を争う下げ幅となった。

英アントファガスタとフィンランドのオウトクンプを中心に鉱山株 も下落。四半期決算が売り材料。

ストックス600指数は前日比2.2%安の397.30で終了。年初来上昇率 は16%に縮小した。米経済の1-3月(第1四半期)成長率が辛うじて のプラスにとどまったことも相場下落の要因だった。

ノッツ・ストゥッキ(ジュネーブ)で資産運用に携わるピエール・ ムートン氏は「好業績への期待から欧州株は第1四半期にかなり上げて いた」と述べた上で、「決算シーズンに入り、市場のボラティリティが 多少高まったことは驚きではない。相場の一段高を阻止する可能性のあ る一つの要因は、このところのユーロの強さだ。欧州の輸出業者の業績 には、これが悪影響を及ぼすかもしれない。相場が本格的に上昇するに は好調な決算と強い米国経済が必要だ」と付け加えた。

投資家らは米国の利上げ時期を見極めるため、米連邦公開市場委員 会 (FOMC)がこの日の会合後に発表する声明にも注目している。

原題: Europe Stocks Post Biggest Slump of 2015 as Mining Shares Slide(抜粋)

◎欧州債:軒並み下落、ガンドラック氏らドイツ債の空売り検討

29日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が軒並み下落。過去最低 水準の利回りに投資家らが我慢できなくなってきている状況が一段と鮮 明になった。

ドイツ債利回りは約2年ぶりの大幅上昇。この日実施された5年債 入札では、応札額が目標を下回った。ダブルライン・キャピタル共同創 業者のジェフリー・ガンドラック氏はドイツ債の空売りを検討している ことを明らかにした。先週は米ジャナス・キャピタル・グループのビ ル・グロース氏も独国債は「空前絶後のショート」機会と発言してい た。

欧州中央銀行(ECB)が打ち出した1兆1000億ユーロ規模の量的 緩和(QE)プログラムを手掛かりに、ドイツからスペインまでユーロ 参加国では国債利回りがかつてない水準まで低下。ユーロ圏で物価が上 昇しつつある兆候も、国債需要への重しとなっている。

ロンバー・オディエ・インベストメント・マネジャーズのグローバ ルストラテジスト、サルマン・アハメド氏は「ドイツ債相場の水準が異 例に見えるときに、影響力のある人物から逆張りの見方を提供する発言 が出た。市場にインパクトを与えるのは明らかだ」と語った。

ドイツ10年債利回りは前日比12ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇し、7週間ぶり高水準となる0.29%で終了。これは2013 年1月以来の大きな上げ。同国債(表面利率0.5%、2025年2月償還) 価格は1.195下げ102.075。

ドイツ5年債入札で応札額は36億4900万ユーロと、目標の40億ユー ロに届かなかった。5年債で札割れとなったのは1月21日以来。

ドイツ連邦統計局が29日発表した4月の消費者物価指数(CPI) 速報値は前年同月比0.3%上昇し、上昇率は3月の0.1%を上回った。

イタリア10年債利回りは13bp上昇し1.51%、同年限のポルトガル 国債利回りは15bp上げ2.12%となった。

原題:Europe’s Bonds Plummet as Gundlach Leads Revolt on Zero Yiel(抜粋)

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