ユーロ圏デフレ見通し後退、中銀措置浸透か-独CPI0.3%上昇

ユーロ圏が恐れていたデフレの脅威は、それ が始まる前に既に過ぎ去った可能性がある。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によれば、4月のユー ロ圏消費者物価指数(CPI)は前年同月比変わらずとなったもよう。 3月までは4カ月連続でマイナスだった。景気回復が進む中でのこうし たCPIの動向は、物価や賃金を押し下げることなく原油値下がりの影 響が弱まりつつあることを示唆している。29日発表されたドイツの4月 のインフレ率はエコノミスト予想を上回った。

デフレの脅威を封じ込めるため、欧州中央銀行(ECB)はソブリ ン債購入を3月に開始したが、向こう数日間に発表される経済指標は域 内経済が好転している兆候を一段と示す可能性がある。ギリシャのユー ロ離脱が差し迫った最大のリスクだが、ユーロ圏の失業率低下のほか、 ドイツやスペインなどでの勇気付けられる経済データが、段階的に景気 回復が力を増すとの当局者の予想を裏付ける要因となるだろう。

ナティクシスのエコノミスト、ヨハネス・ガレイス氏(フランクフ ルト在勤)は「インフレデータで改善の兆候が強まれば、危険なデフレ スパイラルを懸念する風潮は和らぐはずだ」とし、「ECBは恐らくイ ンフレ動向の改善を歓迎するだろう。だが、ユーロ圏の消費者にはデフ レの脅威は始まってさえいない」と語った。

ユーロ圏のインフレ率は昨年12月にマイナスとなり、今年1月には マイナス0.6%と、過去最低に並んだ。ブルームバーグがまとめたエコ ノミスト40人の調査中央値では、欧州連合(EU)統計局(ユーロスタ ット)が30日発表する4月のインフレ率はゼロが見込まれている。

同時に発表される3月のユーロ圏失業率は11.2%と、2月の11.3% を下回ったもよう。危機前には7.2%まで下げていたので、それに比べ れば依然として高いままだ。

ドイツ連邦統計局がこの日発表した4月のインフレ率は0.3%と、 3月の0.1%を上回った。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査 では中央値で0.2%が予想されていた。独連邦銀行(中央銀行)は同国 の経済成長は「極めて堅固」と分析している。

別のエコノミスト調査によると、3月のユーロ圏小売売上高は前月 比で0.5%増え、同月までの6カ月では5回目のプラス月になったとみ られる。また、ドイツでは失業率が3月に旧東西ドイツ統一以来の最低 を記録したが、失業者数が4月にさらに減少したもようだ。

このように域内全体で景気回復が強まる兆候がデータで示される中 でも、こう着状態が続くギリシャと債権者側との協議が景況感に水を差 している。この日発表された4月のユーロ圏景況感指数は103.7と、前 月の103.9を下回り、5カ月ぶりに下げに転じた。

原題:Europe’s Deflation Specter Moving On as Greece Clouds Recovery(抜粋)

--取材協力:Kristian Siedenburg.

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