元JPモルガンのバンカー、人気と信用さらに下がる転身目指す

元JPモルガン・チェースのバン カー、ウィル・マーティンデール氏はロンドンのバタシー地区から英総 選挙に出馬している。陣営は労働党だ。

選挙区の中には住んでいる子供たちの5人に2人が貧困層という集 合住宅もあれば、1寝室しかないのに価格が80万ポンド(約1億4500万 円)前後もするマンションがあったりする。

マーティンデール氏(32)はこの格差を縮める手腕が自分にあると 考えたことが出馬の理由だと話す。英国内総生産(GDP)の約12%を 生み出す金融業での経験が同氏の背中を押した。

「ロンドンに金融システムがあり、雇用と所得を生み出しているの は素晴らしいことだ。しかし、それを持続可能で危機をもたらさないも のにしなければならない」と同氏は述べた。

5月7日の総選挙で勝利を目指す候補者には、マーティンデール氏 のような金融業界出身者が多数いる。イプソス・モリの世論調査によれ ば、バンカーの言葉にうそはないと同意する回答者は31%にすぎなかっ た。もっとも、政治家を信用する人はさらに少なく16%。

金融危機時に財務相だったアリステア・ダーリング氏は、金融業界 出身ということが「英議員になる資格を失わせるというのは常識的に考 えればあるべきことではないが、それでも履歴書の冒頭に金融機関での 勤務経験を書くことは想像できない」と述べた。

しかし、2009年から議員の経歴を分析しているティム・カー氏によ れば、少なくとも32人はいる金融業界出身の候補者に当選のチャンスが ないわけではない。

英独立党(UKIP)のファラージュ党首は元金属トレーダー。保 守党から出馬のヌスラット・ガニ氏はゴールドマン・サックス・グルー プに勤務した経験がある。そのほかクレディ・スイス・グループとドイ ツ銀行の出身者もいる。職種もアナリストやトレーダーとさまざまだ。

前回の選挙で新規当選者の10%が金融業界出身者だった。今回の選 挙でも同程度の割合が可能だと、カー氏はみている。

また、有権者に人気がない過去の職業にもかかわらず当選できると いう事実は、英国経済と金融がいかに複雑に絡み合っているかの表れで もある。バンカー批判は根強いが、12年8月のユーガブの世論調査で は、英経済を再び軌道に乗せるために銀行は重要と答えた回答者の割合 は78%に上った。

原題:City Bankers Seek Parliament Seats to Join Most Hated Profession(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE