ホンダ:今期純利益は市場予想に及ばず-品質問題、為替も響く

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ホンダの今期(2016年3月期)純利益見通し は市場予想を下回った。品質問題を抱える中、販売管理費の増大などが 足かせとなっている。市場予想との比較数値は従来の米国会計基準で、 これとは別に、ホンダは新たに適用する国際財務報告基準(IFRS) の数値も公表した。

ホンダが28日に発表した決算資料によると、米国会計基準の今期純 利益は5250億円の予想とした。前期比では微増の見通し。ブルームバー グが集計したアナリスト25人の予想平均は6613億円だった。IFRSで は、売上高が14兆5000億円、営業利益は6850億円、純利益が5250億円の 見通し。今期の為替前提は対ドルで115円、対ユーロで125円。

タカタ製エアバッグの不具合や主力のフィットハイブリッド車 (HV)でリコールが相次ぐなど品質問題への対応のため、新車投入に 遅れが生じて販売計画を引き下げたり、販売管理費増などにつながって いた。6月に社長が交代する今期も品質問題に伴う販売管理費増が利益 の圧迫要因となる。

ホンダの岩村哲夫副社長は決算説明で、品質関連費用は売上高に対 して従来1.1%程度だったが、前期、今期とも1.6%程度に膨らんでいる とした。ユーロ安・円高などの為替影響に対しては今後、時間をかけ世 界補完体制を強化して対応していくと述べた。

今期の利益段階では前期に比べ、販売台数拡大が寄与する一方、販 売管理費増(900億円)や為替影響(850億円)、研究開発費増(440億 円)などがマイナス要因となる。グループ自動車販売は、IFRS で471万5000台、米国基準で465万5000台(前期比6.7%増)を計画して いる。日本で減少するが、主力の北米やアジアで拡大する見通し。

前期決算は米国会計基準で、1-3月の純利益が前年同期比43%減 の978億円だった。日本の販売低迷や販売管理費増などが響いた。ブル ームバーグが集計したアナリスト12人の予想平均1353億円を下回った。 年間の純利益は前の期比8.9%減の5228億円。

自動車事業の1-3月の営業利益率は前年同期の3.1%から0.8%に 低下した。岩村氏は、販売台数が伸びない中、投資した生産設備による 固定費が膨らんだこと、また品質関連費用が増えたことなどを要因とし て挙げた。

新車投入後もあまり販売が伸びなかったことについて岩村氏は、品 質問題によりブランドイメージが損なわれたと述べ、今後は信頼を取り 戻せる車を一つひとつ出していくしかないと語った。自動車調査会社オ ートデータによると、ホンダは主力市場の米国で15年1-3月の販売が 前年同期比2.6%増、市場シェア8.4%だった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本浩一アナリストは4 月21日付リポートで、1-3月の米国シェア8.4%は東日本大震災の影 響で在不足に陥っていた11年8月以来の低水準であり、タカタ製エアバ ッグ問題が完全に解決していないことに加え、ガソリン価格の低下傾向 により主力乗用車を中心に競争が激化していることが大きいと指摘し た。

ホンダの株価は28日終値で前日比0.3%安の4330.5円、年初来で は23%の上昇となっている。

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