東南アの病院買収へ、医療ツーリズム-キャピメディ、関連上場も

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高齢者施設や病院などの運営を手掛けるキャ ピタルメディカ(港区)は、安い料金で高度な手術を受けられる日本を 訪れる外国人が増えると見込み、顧客誘致の窓口として東南アジアでの 病院取得を計画している。同社の株主である双日と共同で取得する可能 性がある。

キャピタルメディカの中村健太郎執行役員が15日、ブルームバー グ・ニュースのインタビューで語った。中村氏は「医療ツーリズムはビ ジネスとしての可能性が非常に高い」と述べた。中村氏は心臓のバイパ ス手術を例に挙げ、シンガポールやマレーシアは日本の2倍以上、アメ リカは3倍程度の価格だと指摘、さらに円安効果も後押しする要因にな ると分析する。

アジアでは、人口増加や経済発展による生活環境の変化、高齢化の 進行で医療の需要拡大が見込まれている。三井物産が2011年にアジア最 大の病院グループを運営するインテグレイテッド・ ヘルスケア・ホー ルディングス(IHH)に900億円出資、株式の約3割を取得して経営 参画するなどアジアの医療市場での日本企業の存在感が高まっている。

医療観光サイトのペイシェンツ・ビヨンド・ボーダーによると、医 療観光の市場規模は世界で385億ドルから550億ドル。成長率は年14%か ら25%と推計し、東南アジアや北アジア、南アジアの成長率が最も高い としている。

国内では有料老人ホームの運営を拡大する。同社は東京都や神奈川 県に7件の施設を運営している。中村氏は「定員70名に対し待機者約30 人の施設もある」と高稼働に自信を示し、「今後年間2-3件のペース で運営数を増やしたい」と述べた。1施設当り、1.2-1.3億円程度の事 業費を見込んでいる。

規制緩和

政府は11年に医療滞在ビザの発給を開始、13年には医療法人が海外 現法に出資できることを明確化するなど医療観光を後押ししている。た だ、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの妹尾康志主席研究員は、 「医療目的で日本に来る人は少なく、数千人程度」と推定。言語対応、 治療費の回収といった課題もあり、調査によると医療観光に積極的な病 院は回答者の8.1%にとどまる。

妹尾氏は医療観光客の呼び込みは「相手国にネットワークがないと 難しい」とし「現地病院に出資して高度医療が必要な患者に日本の本院 に来てもらう形での医療観光が今後主流になる」との見方を示した。ま た、医療観光には「高度医療のイメージが強いが、人間ドックを受けに 来ている方が多い」と指摘し、心臓手術などの高度医療以外でも、検診 や出産などで国内病院が競争力を発揮できると述べた。

関連会社上場も

同社は、国内外での事業拡大に充てるため、一部の関連会社の株式 を売却する方針だ。中村氏は「関連会社は来年に東証マザーズに上場す る準備を進めている」と述べた。具体的な社名や時期、IPOの規模は 言及を避けた。

同社は05年に設立、双日や大手不動産のヒューリックなどが株主。 中村氏によると、14年12月期の連結売上高は150億円、税引き前利益15 億円。

(第4段落の市場規模の金額の桁数を訂正済みです)

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