野村HD:海外拠点の税引前損益は赤字に-経営目標達成ならず

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野村ホールディングスの前期(2015年3月) の海外拠点の税引き前損益が赤字になったことが、複数の関係者への取 材で分かった。海外拠点の損益合計の赤字は5期連続。同社は前期中に 黒字化を達成することを経営目標に掲げていた。

野村HDは米州、欧州、アジアで業務を営んでおり、関係者によれ ば、赤字の主な要因は一時的な費用計上によるもので、赤字幅は前々期 の247億円からは縮小したという。公表している16年3月期の税前利 益500億円の目標は据え置く。野村は30日に決算を発表する予定。

12年に就任した永井浩二最高経営責任者(CEO)は、エクイティ やトレーディングなど海外のホールセール部門で人員削減に着手。10億 ドルの経費削減を完了し、現在は米州など収益拡大が見込めるビジネス の強化を図っている。日経平均株価が2万円台を回復する中、国内の個 人(リテール)顧客資産は増加傾向にある。

野村HDの山下兼史広報担当は海外拠点で赤字を計上する見通しと なったことについてコメントを避けた。

「成長ドライバー」

野村の柏木茂介最高財務責任者(CFO)は、今年1月の決算会見 で、全ての海外拠点の事業を前期末までに通期で黒字化する目標の達成 は可能だとの見通しを示していた。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「経営目標 を達成できなかったのはネガティブだが、恒常的で大幅な赤字から脱却 しつつあり損失はコントロールできる範囲だという印象だ」と語った。 一方、「成長のドライバーは海外にあることは明らかで、野村はまだビ ジネスを確立できておらずスピーディーさに欠ける。投資家としては物 足りないだろう」と指摘した。

野村は23日、海外のグローバルマーケッツ業務の体制を刷新すると 発表。ヨーロッパとアメリカで新たな責任者を選任、トレーディングな ど同業務の収益力を強化に乗り出した。

ムーディーズ効果

米格付け会社ムーディーズは昨年10月、野村HDの格付けをげBa a1に2段階引き上げた。野村はこの格上げにより海外の中央銀行や政 府系機関(SWF)や運用会社との取引拡大が期待でき、年間2億5000 万ドル(約300億円)の収益増加が見込めるとしている。

関係者によれば、野村の1-3月(第4四半期)の連結純利益は前 年同期の613億円から拡大したもようだ。ブルームバーグが集計したア ナリスト8人の予想平均値は586億円となっている。同社は30日午後3 時にこうした決算について詳細を発表す予定だ。

野村に先立ち28日に発表した大和証券グループ本社の第4四半期の 純利益は前年同期比16%増の385億円となった。海外拠点の経常損益は 米州は黒字だったものの、欧州とアジアが振るわず全体では1億円強の 損失となった。ただ、赤字幅は縮小している。大和は海外業務の拡大に 向けアジアの金融機関への出資や資本提携を検討している。

野村HDの28日の株価は午後、下落に転じ、一時前日比1.2%安ま で下げた後、2円(0.3%)安の790.6円で取引を終えた。日経平均株価 は75円63銭(0.4%)高の2万58円95銭で終了した。

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