日本株上昇、配当還元ファナック高い-決算受け自動車部品も

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28日の東京株式相場は上昇。配当性向を引き 上げたファナックが買われ、午後に入りアイシン精機やジェイテクトが 急伸するなど、決算発表を受け自動車部品銘柄の上げも目立った。ギリ シャ情勢の進展期待や為替の安定もプラス要因で、業種別では輸送用機 器や精密機器など輸出関連、鉱業株が高い。

TOPIXの終値は前日比8.36ポイント(0.5%)高の1627.43、日 経平均株価は75円63銭(0.4%)高の2万58円95銭。

みずほ投信投資顧問の青木隆シニアファンドマネジャーは、「ファ ナックほど大胆に変化することはないにしても、こういった変化が市場 で好感される地合いは続くだろう」と指摘。本格化してきた国内企業決 算に関しても、「2桁増益の製造業などが注目を集めやすい」とし、前 期ほどの円安進行を見込みにくい中、「本当に売り上げを伸ばせる銘 柄、シェアを拡大できる銘柄の実力が問われる」と話した。

工作機械用NC装置や産業用ロボットの世界的メーカー、ファナッ クは27日に配当性向を従来の30%から60%に引き上げると発表した。自 社株買いも行い、取得額と配当金との合計が今後5年間の純利益合計の 8割の範囲内になるようにする。三菱UFJモルガン・スタンレー証券 では業績、株主還元とも市場期待を大幅に上回ったと評価した。

リオリエントのエクイティセールストレーディングのヘッド、デビ ッド・ウェルチ氏(香港在住)は「配当性向の引き上げは大いに注目を 集め、投資家は次はどこかとみている。ROEに対し期待が持てる中、 投資家の日本全体に対する見方に影響を与えている」と言う。

このほか、ギリシャ政府は27日に救済交渉チームを再編、同国のバ ルファキス財務相の影響力を抑制した。債権者との過去3カ月にわたる 協議は支援実行に至らず、ユーロ圏財務相会合ではバルファキス氏に批 判が集中していた。同日の欧州株が総じて上昇したこともきょうの日本 株のプラス要因。また、この日のドル・円相場はおおむね1ドル=119 円10銭前後で推移し、前日の日本株市場の終値時点118円94銭に対する 落ち着きも投資家心理に好影響を与えた。

指数伸び悩み、個別物色

きょうの日本株は上昇して始まり、日経平均は朝方に一時150円高 の2万133円まで上げ幅を拡大した。ただ、午前後半以降は伸び悩み。 東京市場はあすが祝日休場、その間に米国では連邦公開市場委員会 (FOMC)、1-3月期国内総生産(GDP)の発表があり、米国株 やドル相場への影響を警戒する格好で上値を買う動きは限られた。

午後の取引では個別物色の傾向が強まり、自動車部品銘柄の急伸ぶ りが顕著。2016年3月期の営業利益計画を21%増とし、市場予想を上回 ったアイシン精が10%高。今期増収増益計画のジェイテクト、最終増益 計画のトヨタ紡織も高い。

東証1部33業種は鉱業、保険、精密、輸送用機器、機械、ガラス・ 土石製品など24業種が上昇。金属製品やその他金融、医薬品、空運、電 機など9業種は下落。上昇率1位の鉱業では、アブダビの陸上油田権益 5%を取得した国際石油開発帝石が上げた。東証1部の売買高は20 億8721万株、売買代金は2兆8659億円、上昇銘柄数は961、下落792。

売買代金上位ではトヨタ自動車や自社株買い発表のデンソーが上 昇。KDDI、キーエンス、HOYA、スズキ、SMCも高い。半面、 東京エレクトロンが代金トップで急落。米司法省が認めなかったため、 米アプライドマテリアルズとの経営統合契約を解消し、失望売りが殺到 した。今期営業減益計画のコマツや日立建機、株主還元姿勢に変化なし とみられた京セラも安い。

--取材協力:Anna Kitanaka.

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