終身雇用なげうって起業に賭ける-中国社会に変化の兆し

中国では数十年にわたり誰もが望む人気の職 業は公務員だった。所得が安定しており、権限も持てる。だが終身雇用 の公務員職をなげうってでもベンチャー企業での成功を目指すナイマ ー・リさんのような若い世代がこうした認識を変えつつある。

10年前、大学を卒業し税関に就職した際、リさんは家族の誇りとな った。だが昨年、浙江省杭州の電子商取引のベンチャー企業に加わるた め税関を辞めた。アリババ・グループ・ホールディングの創業の地で、 史上最大の新規株式公開(IPO)を実現した同社に続く道を歩むこと に決めたのだ。

これこそ、経済成長が鈍化し、国有企業の安定が揺らぐ中で中国社 会に広がる変化の兆しだ。アリババを創業した馬雲(ジャック・マ)氏 のような人々は若者世代に対し、起業し民間部門で資産を築くことを目 指せと鼓舞している。折しも習近平国家主席が汚職撲滅運動を推し進め る中で、公務員として働く名誉や経済面での魅力も薄れている。

34歳のリさんは「われわれの世代で最も聡明な人材はもはや制度内 にとどまることを望んでいない。能力さえあれば、市場で夢を実現でき る可能性が本当にある」と述べる。

反腐敗運動に伴い、公務員を目指す若者が少なくなっていることが はっきりしつつある。共産党機関紙、人民日報によれば、2015年度の公 務員試験受験者数は過去最低を記録。7.5%減の140万人だったという。

こうした社会的な変化を目の当りにしているのが北京のベンチャー キャピタル、真格基金の投資マネジャー、劉元氏だ。昨年は新興企 業100社に7000万ドル(約83億円)を投じた。直近の投資対象の約半数 は1985年より後に生まれた大卒者が創業した企業だという。「最近の若 者に最も人気の就職先はもはや政府ではない。自分の会社を設立するこ とを見据えている」と劉氏(26)は話す。

原題:China’s Young Leave State Ranks to Chase Riches at Tech Startups(抜粋)

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