【今週の債券】長期金利0.2%の下限探る、需給逼迫で-追加緩和見極め

今週の債券市場で長期金利は0.2%台の低下 余地を探ると予想されている。日本銀行の国債買い入れオペによる需給 逼迫(ひっぱく)観測の強まりから、金利に低下圧力が掛かりやすいと の見方が背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は、全体で0.25-0.40%となった。前週は一時0.28%まで低下して、2 月3日以来の0.3%割れとなった。

三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッド は、今週の債券相場について、「長期や超長期ゾーンの入札空白のタイ ミングに、日銀の国債買いオペがたんたんと入るので、時間の経過とと もに需給の引き締まりが波及されやすい」と話した。

日銀は30日に今月2回目となる金融政策決定会合を開催する。ブル ームバーグが先月31日から今月3日にかけてエコノミスト34人を対象に 実施した調査では3人が追加緩和を予想した。今回の会合では半年に一 度の経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表する。

据え置きなら反動も

日銀会合について、SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利スト ラテジストは、「追加緩和なしが基本シナリオとはいえ、一部政治家の 露骨な緩和要請発言もあって、市場でも何かあるかもしれないとの警戒 が生じる状況ではある。若干金利低下の流れで結果発表を待つ形になる のであれば、その後はやや反動の金利上昇となりやすい」と言う。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、 「追加緩和手段として考えられるETF(指数連動型上場投資信託)買 い入れ増額は株高につながり、付利引き下げの場合は短いゾーンが買わ れる半面、長めのゾーンは円安進行に伴うインフレ懸念で売られ、カー ブはスティープ化する」と述べた。

財務省は28日に2年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率 (クーポン)は0.1%に据え置かれる見込み。発行予定額は2000億円減 額となった前月債と同額の2兆5000億円程度となる。

5月1日には流動性供給入札が実施される。投資家需要の強い既発 国債を追加発行する入札で、今回の対象銘柄は残存期間15.5年超から39 年未満。発行予定額は3000億円程度となる。

シティグループ証券の道家映二チーフJGBストラテジストは、 「来月1日の流動性供給入札と8日の10年物価連動国債入札を除けば、 超長期・長期セクターの供給は12日の10年国債入札までない。高値警戒 感は根強いものの、日銀買いオペの存在を考慮すると、需給の引き締ま りが意識されやすい」と言う。

市場参加者の今週の先物中心限月と新発10年物国債利回りの予想レ ンジは以下の通り。

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッド

先物6月物147円85銭-148円40銭

10年国債利回り=0.26%-0.33%

「4月に慎重スタンスで対応していた向きが多いため、連休前に多 少は買わざるを得ない。期初に様子見しているうちに金利はじりじりと 低下した。欧州の金利低下もあって海外から投資資金がシフトしてい る。一方、連休明けには米雇用統計が発表されるほか、その後の10年債 入札への警戒感も強まってくるため、積極的に買い進むとも思えず。5 月の金利上昇時の買い余力を残しつつ、0.3%台の押し目をこつこつ買 っていくスタンスだ」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

先物6月物147円85銭-148円50銭

10年国債利回り=0.25%-0.32%

「5月初めにかけては日本固有の需給要因で買い進まれる傾向があ る。独国債の短期ゾーンがマイナス金利に陥っている状況下で、欧州投 資家が利上げ見通しのある米国債よりも、日本国債を選好している面が ある。世界経済の雲行きが怪しくなっており、リスクアセットから資金 が逃げ出してきている可能性がある。2年債入札前にいったん需給が緩 む局面が見込まれるものの、需要が確認できれば、日銀会合を控えてシ ョートしにくい。2年債入札はマイナスで落札されることもあり得る」

◎みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジスト

先物6月物147円00銭-148円50銭

10年国債利回り=0.25%-0.40%

「4月の超長期債入札後にいずれも大規模な混乱がなかったこと で、超長期ゾーンの需給には安心感が広がってくる頃合い。金利水準の レンジが切り下がるのに伴い、10年対超長期のカーブ形状も1-3月よ りはフラットな水準で推移しやすくなるだろう。グローバルにディスイ ンフレの圧力が強まる中、今後半年程度の間に市場が本格的に量的緩和 の出口を織り込む形で、長期金利が急騰する可能性は大きく低下してい る」

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