ロシアのプーチン大統領は、国内で手頃な価 格で購入できるパンが不足する事態は何としても回避する決意だ。たと えそのために数件の農家が破綻し、穀物市場が混乱することになって も。

昨年世界4位の小麦輸出国だったロシアは現在、全ての輸出小麦に 課税している。輸出は50%余り減少し既に利益が縮小していた農家の収 入はさらに落ち込んでいる。プーチン大統領のこの動きにより国内で確 保できる小麦が増える一方、農家は支払い能力を維持するため肥料や農 薬などへの支出を削減している。

原油価格下落に加え欧米諸国による経済制裁で通貨ルーブルが下落 したことから、エネルギー主導のロシア経済は6年ぶりにリセッション (景気後退)に陥った。これにより多くの食品を含む輸入品の価格が上 昇している。小麦は世界各地で豊作となっているため現時点ではロシア 産の輸出減少は世界の小麦市場に影響を及ぼしていないものの、輸出が 引き続き落ち込めば状況は変化するかもしれない。

7月に冬小麦の収穫が始まる黒海周辺地域の農地で12日間にわたる 視察を終えた露農業助言会社アグロノミー・ウクライナの創業者、マイ ク・リー氏は20日の電話インタビューで「一部の農家は現在、生産コス トを下回る価格で小麦を売却しているが、来シーズンの作付けに向け現 金が必要だ」と指摘。「現金を確保するため皆コストを削減している」 と述べた。

原題:Putin’s Feed-Russia-First Push Has Global Grain Markets on Edge(抜粋)

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