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【今週の債券】長期金利0.3%割れか、需給逼迫―買えないリスクとの声

今週の債券市場で長期金利は節目の0.3%を 割り込むと予想されている。日本銀行の国債買い入れオペによる需給逼 迫(ひっぱく)観測が背景にある。市場参加者の間では、債券が買えな いリスクが意識されるとの見方も出ている。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は、全体で0.27-0.35%となった。前週は0.30%と3月25日以来の水準 に低下した。0.3%を下回ると2月3日以来となる。

メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジストは、「今後は 基本的に残高を維持するだけでも大変な相場になっていく見通しで、買 えなくなるリスクも意識される」と話した。「海外の金利動向や需給環 境含め全てが金利低下方向に向いている」としながらも、売り材料が出 た時に警戒感がくすぶるとの見方も示した。

財務省は23日、40年利付国債の利回り競争入札を実施する。入札結 果を受けて決まる表面利率(クーポン)は前回債の1.7%から、引き下 げられる見通しだ。発行額は前回債と同額の4000億円程度となる。

安定的投資家の需要反映

40年債入札について、野村証券の松沢中チーフストラテジストは、 「20年債などに比べてディーリング需要が乏しく、安定的投資家の需要 がより反映されやすい。海外や国内ディーリング勢によって買い上げら れてしまった相場水準には魅力が乏しく、対20年での割安化によって需 要を引き出すことになろう」と言う。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、40 年債入札を通過すれば、連休にかけて長いゾーンの主力国債入札の空白 時間帯になるとし、「売っても金利が上がらなければいずれ国内勢も買 いに動く」とみている。

21日には流動性供給入札が予定されている。投資家需要の強い既発 国債を追加発行する入札で、今回は残存期間5年超から15.5年以下の国 債が対象銘柄。発行予定額は前回の同年限の入札に比べて1000億円増 の5000億円程度となる。

市場参加者の今週の先物中心限月と新発10年物国債利回りの予想レ ンジは以下の通り。

◎BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジスト

先物6月物147円50銭-148円20銭

10年国債利回り=0.27%-0.35%

「月末までは日銀の国債買い入れオペを中心に需給環境の良さが目 立つ展開となる可能性が高い。外部環境を見ても、弱い米国経済指標や 中国経済の減速などが円債市場のサポートとなる。ギリシャ問題をめぐ る不透明感もサポート材料となっており、全体的に売り材料よりも買い 材料が多い状況にある。こうした環境から、10年債利回りについて は0.3%を割り込む可能性は十分にある」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

先物6月物147円65銭-148円30銭

10年国債利回り=0.27%-0.34%

「欧州で金利低下が進展し、ドイツの10年債利回りは足元0.08%付 近の推移。日本の10年債利回り0.3%台というのは、国内投資家に妙味 が乏しくとも海外勢にとって魅力的だ。欧州の金利低下に伴って円債の 妙味が高まる中、国内勢の戻り売りを吸収しながら金利低下余地を探り そう。ギリシャの債務問題が再燃していることで、海外勢がリスク回避 的なスタンスに、欧州株が売られて為替は円が買われやすい地合い」

◎メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジスト

先物6月物147円50銭-148円20銭

10年国債利回り=0.27%-0.35%

「入札があったにもかかわらず超長期債は強く、中期セクターも堅 調な中、10年債利回りは徐々に0.3%割れを試す展開になるとみてい る。今週の40年債入札は、20年や30年債入札に比べてインパクトが少な い。米指標の不振や独金利の低下など、海外要因が債券ブルファクター になっている。押し目の水準が見えてきて、金利が以前のように突然上 昇するリスクは減ってきた」

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