インターネットで個人投資家から資金を集め て運用するクラウドクレジット(東京都千代田区)は、早ければ27日に も欧州の個人向け無担保ローンに投資するファンドを販売する計画だ。 超低金利下で少しでも高い金利を求める国内の個人投資家に対し、期待 利回りが15%の金融商品を提供する。

杉山智行代表(32)によると、金利収入に対する税率がゼロのエス トニア共和国に10日、子会社を設立。個人投資家から募った資金を、同 国の融資仲介会社Bondoraが取りまとめた無担保個人向けローン に投資する。同国のほかスペイン、フィンランドなどのローンに分散投 資する。当初はユーロ建てのみだが、夏ごろには円建てで期待利回 り10%超の商品も提供する予定だ。

日本銀行が2013年4月に異次元金融緩和に踏み切って以降、市場金 利は一段と低下しており、日銀の統計によると、普通預金の平均年利率 の店頭表示レートは0.02%。こうした中、預金よりも高い利回りの商品 が人気を集めている。ネット上で借りたい人と貸したい人を仲介する国 内ソーシャルレンディング最大手maneoでは3月時点の累計貸し出 し残高は265億円で、2年前の約3.5倍に拡大している。

杉山氏は、国際的な金融機関の健全性規制(バーゼル3)の強化に 伴い、欧州の銀行はローン残高を圧縮していると説明。借り入れニーズ は変わらないことから、「欧州にはファンディングギャップがあり、日 本の個人の余資を貸し付ける余地がある」と述べた。超低金利下で運用 先を探る日本の個人投資家にとって、「政策金利+リスクスプレッドと いったような説明は意味をなさない」とし、「ブラジル国債の金利 8%」程度の絶対利回りを求めているという。

資金増額も

クラウドクレジットは、リスク低減型(期待利回り9%程度)、両 方追求型(同12%)、リターン追求型(同15%)の異なる3つのファン ド(運用期間3年)に各500万円ずつの資金を集め、その後、毎月 各2000万-3000万円に増額する予定。また、イタリアの PRESTIAMOCHIが仲介する無担保ローンに対しても、個人投 資家から資金を募る。利回りは5%程度(運用期間3年)の見込みだ。

クラウドファンディングの専門家で、ニューカレッジキャピタルの ロバート・レオック氏は、個人同士の貸し借りをネットで仲介するP2 P融資について「投資家にとってリターンが魅力的で、借り手にとって は資本へのアクセスが簡単だ」と説明。迅速に借り手と貸し手を一致さ せる機能があり、「グローバルに急速に拡大している」と話す。

半面、「借り手が零細企業や個人投資家で、通常無担保なのでクレ ジットリスクはある」と指摘。借り手が信用情報を偽る不正リスクのほ か、「サイトを運営する業者が営業を停止し、投資家が自ら債権回収を しなければいけない場合もある」と指摘する。

金利志向

ソフトバンクは2月、表面利率2.5%の個人向け劣後7年債を当初 予定の4000億円から4500億円に増額募集した。格付けは、日本格付研究 所(JCR)のBBB+(投資適格の下から3番目)。

一方、長期金利(10年物国債利回り)が1月に初めて0.2%を割り 込むなど低迷する中、個人向け国債5年物は同月債の募集を停止。2年 物は昨年10月から、4月まで7回連続で募集を停止している。

カネ余りの中、資金需要は低迷している。預金から貸し出し残高を 差し引いた預貸ギャップは3月に199兆7000億円と、データが現存す る1991年以降で最大を記録した。

--取材協力:山中英典.

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