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【今週の債券】長期金利0.30%付近に低下か、20年債入札への警戒後退

今週の債券市場で長期金利は0.30%近くに水 準を下げると予想されている。市場参加者の間で、週内に行われる20年 利付国債の価格競争入札に対する警戒感がやや後退していることが背景 にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は、全体で0.31-0.39%となった。前週は7日に一時0.38%と約1週間 ぶりの水準まで上昇した。その後、1000億円増発された30年債入札が順 調な結果になると買いが優勢となり、9日には0.335%まで低下した。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー は、今週の債券市場の焦点は20年債入札になると言い、「発行増の影響 への不透明感が高かった先週の30年債入札と比べて、発行増がないた め、不安感は少ない」との見方を示した。

財務省は16日に20年利付国債の価格競争入札を実施する。前回 の152回債と銘柄統合するリオープン発行となり、表面利率(クーポ ン)は1.2%に据え置かれる見込み。発行額は前回債と同額の1兆2000 億円程度となる。

3週連続で超長期債入札

前週実施の30年債入札は順調だったが、4月は20年債、来週には40 年債と超長期ゾーンの入札が続く。2015年度から30年債と40年債の発行 額が増発される一方で、日本銀行による当面の国債買い入れオペ運営方 針では超長期債ゾーンは据え置かれた。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、4月は超長期ゾ ーンの入札が重なるため、需給不安が残るとしながらも、同ゾーンの日 銀買い入れは今年度に8兆円程度増え、新発超長期国債の発行額の7割 程度を吸収する見通しと分析。「国内生保は昨年9月以降、まとまった 買いを入れていないとみられ、年度でみれば需給はタイト化しやすいだ ろう。海外からの資金流入が想定されること、日銀追加緩和の有力手段 が買い入れ平均年限の長期化だと予想していることなどから、20年超の 国債の買い方針を継続したい」と言う。

14日には5年利付国債入札が行われる。発行額は前回債より2000億 円減額の2兆5000億円程度。新発5年債利回りは0.1%付近で推移して おり、クーポンは前回債と横ばいの0.1%となる見込みだ。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、値動きの大きい超長期 ゾーンを横目に短中期ゾーンでは、日銀買い入れオペ増額と海外資金流 入の影響からか、金利がじわじわと低下してきていると指摘。「5年債 は0.1%を下回り、運用魅力を欠いた取引水準になっており、2年債は 再びゼロに接近。日銀がもしマイナス金利回避のため、中期債オペの減 額に動けば、長期・超長期債では、オペ増額の思惑からフラット化を促 しそう」と言う。

市場参加者の今週の先物中心限月と新発10年物国債利回りの予想レ ンジは以下の通り。

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物6月物147円30銭-148円00銭

10年国債利回り=0.32%-0.39%

「国内投資家に加え、海外勢からの需要も見込まれ、金利はもみ合 いないしは低下方向の推移が見込まれる。金利上昇時には着実に買いが 入る地合いだ。グローバルに株高が進展しているが、緩和的な金融政策 に支えられた動きであるため、当面の債券市場への影響は限定的となる 見通し。20年債入札については、現状の利回り1.1%台前半は魅力的な 水準でないが、一定の調整があれば30年債入札と同様に需要が集まりそ うだ」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物6月物147円30銭-148円00銭

10年国債利回り=0.31%-0.37%

「20年債入札については、先週に30年債入札を無事に終えた安心感 や、その後の金利の動きを受けて水準感が固まってきたこと、押し目買 い需要が確認されていることも追い風となる。少なくとも20年債利回り では1.2%に向けた金利上昇局面では押し目買いニーズが強いとみてい る。ただ、10年債利回りが0.3%を割り込むには、日銀の追加緩和期待 の高まりや米経済指標の悪化による米金利低下といった材料が必要だ」

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

先物6月物147円20銭-147円90銭

10年国債利回り=0.33%-0.39%

「20年債入札前に調整が入ったとしても、そこそこ需要が見込まれ るため、相場が崩れる展開は見込みにくい。期初の押し目買いムードが 強い。先週は30年債入札を無難に通過しており、1%を上回る利回りに 対する需要はかなり幅広くあることが示された。ただ、株高や円安に対 する警戒感がやや上値を抑える可能性がある。新発10年債利回りは、20 年債入札など外部環境次第では0.4%への上昇もあり得る」

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