米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン 議長は年内の利上げを予想した上で、その後のペースは緩やかなものと なり、予測通りの軌道をたどらないとの見解を示した。

イエレン議長は27日、サンフランシスコで講演。事前に準備された 原稿によると、「年内にフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引 き上げが正当化されるような状況になると私はみている」と語った。さ らに、自身と他の金融当局者は総じて、「FF金利は今後数年にわた り、どちらかと言えば緩やかに引き上げられるのが適切だと想定してい る」と述べた。

初回利上げ後の見通しについては、定期的な間隔で同じような利上 げ幅となる「あらかじめ決まった引き締めコース」はたどらないと話し た。

議長は「経済状況の変化に伴い、政策の実際の軌道も変化する。実 体経済とインフレの実際の動向、および予想される動向次第では、引き 締めは加速や減速、一時停止するかもしれず、巻き戻しの可能性さえあ る」と述べた。

さらに、ゼロ付近にある金利は労働市場のスラック(たるみ)を 「大幅に縮小」させるのに貢献したとした上で、小幅な利上げがその進 展を止める「可能性は非常に低い」と指摘した。

イエレン議長はまた、緩やかな引き締め軌道は米金融当局者が18日 に示した新たな予測を反映していると述べた。2015年末時点のFF金利 誘導目標の予想中央値は0.625%と、12月の予想1.125%から低下した。

労働市場とインフレ目標

労働市場については「今後数カ月にさらに改善する可能性が高い」 と予想した。一方、当局のインフレ目標達成に向けた進展については 「欠如著しい」と認め、インフレの弱さは一部、労働市場の「スラック 継続を反映している可能性が高い」と続けた。

直近の小売売上高が失望を誘う内容だったものの、個人消費につい ては「雇用の強い伸びや、エネルギー安による実質所得押し上げ、家計 資産の拡大継続、比較的高い消費者信頼感など力強いファンダメンタル ズを考えると、今年は順調に拡大する」と語った。

経済の他の分野について議長は、「ドル高は純輸出を抑制している と見受けられ、原油安は原油の掘削活動を縮小させており、住宅建設の 回復は引き続き弱い」と指摘した。

声明の文言

連邦公開市場委員会(FOMC)は18日の声明で、利上げに際して 辛抱強くなれる」との文言を削除。代わりに、インフレ率が2%の目標 に戻っていくと「合理的に確信」するまで利上げを手控える姿勢を示し た。

議長はこの日、声明の文言について説明し、「インフレ見通しに対 する自信を深める要因は、労働市場の改善継続となるだろう」と発言。 従って、「コアインフレが著しく急速に加速しても、FF金利の初回引 き上げが正当化されると判断する前提条件にはならない」と語った。

さらに「金融状況や経済全体にとって重要なのは、短期金利がたど ると予想される軌道の全体像であり、最初の利上げの具体的なタイミン グではない」と述べた。

原題:Yellen Sees Gradual Pace of Rate Rises Starting This Year (2)(抜粋)

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