コンテンツにスキップする
Subscriber Only

英スタンダードC:中東で「ジャパンデスク」開設を検討

更新日時

英スタンダードチャータードは、日本企業向 け業務を拡大する。中東に「ジャパンデスク」を開設することや、アジ アで人員を拡充することを検討する。全世界で4億ドルのコスト削減に 取り組む中、日本を戦略上、重要視していることが明らかになった。

スタンダードチャータード銀行の竹内靖典在日総支配人(CEO) はブルームバーグ・ニュースの取材に応じ、アジア、アフリカ、中東地 域でのビジネス拡大に向け、日本の上場企業との窓口となる「ジャパン デスク」をアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに新設する構想を明ら かにした。シンガポール拠点の増員も検討していく。

同行はグローバルに個人向け業務で約4000人の削減や、株式資本市 場、株式調査など不採算事業からの撤退を進めている。日本では2012年 に富裕層向け業務を閉鎖した。日本国内の従業員は170人と全世界合計 の8万6000人に比べ小さいが、ジャパンデスクの新設や海外での人員増 強により日本法人とのビジネスを拡大、日本へのコミットメントを強め ていく。

先月CEOに就任した竹内氏(53)は、「スタンダードチャーター ドは日本を重要拠点の一つと位置づけている」とし、「規模は70カ国の 中でスモールだが、日本企業が中近東、アジア、アフリカに来る際の橋 渡しとして重要な拠点であり、顧客を掘り起こすマーケットだ」と述べ た。その上で、海外で「ジャパンデスクを拡張したい」と話し、今後国 内でもバンカーなどを採用する可能性を示した。

スタンダードチャータードは現在「ジャパンデスク」を中国、シン ガポール、インド、アフリカに設置しており、日本人スタッフが海外展 開する日本企業をサポートしている。

1880年、横浜

同行はドバイをネットワークに加えることで、日本の機械や運輸、 電機、消費財関連企業がインドなどで製造した商品を中東やアフリカに 輸出する際、融資、為替、資金管理やリスク管理サービスを提供したい 考え。また、中国に進出する繊維や機械関連企業が人件費高騰を受けて ミャンマーに拠点を移す動きがある中、シンガポールの陣容拡大により カンボジア、ラオスなど東南アジアでの業務も強化していく方針だ。

竹内CEOは、「外資系では一時期、投資銀行やデリバティブなど の市場業務が華々しい時代があったが、われわれはアジア、アフリカ、 中近東というネットワークを生かして商業取引に関する金融サービス」 にフォーカスしていきたいと語った。

スタンダードチャータードの前身が日本に初めて進出したのは、横 浜に駐在員事務所を設置した1880年(明治13年)だった。開示資料によ れば、日本拠点の2014年3月期の経常収益は105億3000万円と93億8000 万円から増加した。当期利益は15億6000億円と黒字転換した。

日本のメガバンクは「一定の脅威」

海外での日本企業向けビジネスをめぐっては、スタンダードチャー タードやシティグループなどの外国銀行と三菱UFJ、三井住友F、み ずほFGなど大手邦銀との競争が激化している。メガバンク各行は東南 アジアや中東、アフリカに海外拠点を持ち業務を拡大している。

ミャンマーでは昨年、三菱東京UFJ銀行など邦銀3行がヤンゴン 支店の開設認可を取得した。みずほ銀は10月1日の発表文で、「ミャン マーは豊富な天然資源と優れた労働力など投資先としての数々の魅力か ら、企業進出の飛躍的増加が想定されている」とし、同地域への取引先 の「進出や事業展開をサポートする体制を充実させる」と述べた。

大手邦銀の海外融資残高は14年12月末で、三菱UFJが前年同期比 約20%増加、三井住友が約3割、みずほも約1割伸びた。各社とも1- 2%の伸びだった国内向けに対して海外の拡大が目立っている。

竹内CEOは邦銀の融資は競争力を持っており、「一定の脅威」が あると述べた。一方、同行にはインドとアフリカを起源とする長い歴史 とグローバルなネットワークなど「一日の長」があるとし、「アフリカ やアジアのニッチな国々」で優位性があると指摘した。

竹内氏は12年にスタンダードチャータード銀行に法人営業部門長と して入行した。1984年に東大法学部卒業後、日本長期信用銀行に入行、 その後クレディ・スイス、ABNアムロ、ロイヤルバンク・オブ・スコ ットランドなど外資系金融機関で主に法人営業部門に勤務した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE