日本のヘッジファンド成績5.4%、世界平均上回る-銘柄選別好調

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日本市場で運用するヘッジファンドの2014年 の運用成績は5.4%で、世界平均の4.4%を上回った。アベノミクス効果 の陰りから13年に比べ株価が伸び悩み、ボラティリティ(変動率)が低 下したものの、企業調査を基に選別投資するファンドが寄与した。

シンガポールの調査会社ユーリカヘッジによると、昨年1-12月の ヘッジファンドの運用状況を示す指数は日本を除くアジアが9.3%、北 米が5.8%だった。14年の日経平均ボラティリティ指数は平均で22.17 と、前年の27.41を下回った。

ヘッジファンドのリサーチや助言を手掛ける米アクシアでアジア地 域を統括する鷲尾学氏は、「日本を除くアジアは、中国のように平均よ り飛び抜けている運用者がいるため良くなっているが、日本のマネージ ャーのパフォーマンスは平均的に良かった」と評価。中でも銘柄選択を 重視して「中小型株で運用したファンドは株式相場が下落した月に健闘 し、大型株で運用したファンドを上回った」とみている。

ユーリカヘッジのアナリスト、モハマド・ハッサン氏は、今年の見 通しについて「日本銀行の追加緩和や消費増税の延期に伴う円安は、日 本企業のファンダメンタルズにはプラス。今年もまた日本のファンドに とっては当たり年になる可能性がある」との見方を示した。

中小型株

割安感のある中小型株を発掘するクラッシーキャピタルマンジメン トの14年のリターンはプラス39%。片野恒一最高投資責任者(CIO) は、高収益を上げた背景として投資先企業に提案した増配が受け入れら れたことを挙げた。同社の運用額は約30億円。

アクシアの鷲尾氏は、市場では「アクティビストは歓迎されてい る」と指摘。資本効率の高い400銘柄から成るJPX400やスチュワード シップコードが導入されたこともあり、「日本でも企業統治の効いた会 社や株主資本利益率(ROE)の高い企業への投資が人気を集めてい る」という。

4人の運用者で7500万ドルを大型株や中小型株で運用するエピッ ク・ヴァリアント・ファンドは21.7%の収益を上げた。エピック・パー トナーズ・インベストメンツの樋口勝彦チーフ・ファンド・マネージャ ーによると、収益の大半を年前半にあげたという。

17億円を中小型株で運用する波動V1ファンドは20.7%のプラスだ った。運用するフィノウェイブ・インベストメンツの山路行将ファンド マネージャーは、「ボトムアップの調査でアルファが期待できるものを 探した」と述べた。

銘柄選択

シンガポール拠点のモントレー・キャピタル・マネジメントが日本 株で運用するファンドの収益率は19.8%。村田啓CEO(最高経営責任 者)によると、13年末から14年初めにかけて、アベノミクスの「第2の 矢」である積極的な財政出動を受けて、建設セクターを買い持ち(ロン グ)にしたことが収益に寄与。コメ兵やドンキホーテなど海外観光客の 増加で売り上げの増える小売り銘柄もロングにした。

夏以降の円安進行や10月の日銀の追加緩和により、海外や債券投資 家からの資金流入で中型から大型のディフェンシブ銘柄を中心に日本株 は上昇。村田氏によると、キッコーマン、キユーピー、塩野義製薬など が収益に貢献した。

一方、固定買い取り価格が引き下げられた太陽光発電関連や、消費 増税で売り上げの反動減が予想されたリクシルG、リンナイなど住宅設 備関連をショート(売り持ち)にした。

また、アナリストがカバーしていない銘柄に投資するハヤテジャパ ンエクイティロングショートファンドの収益率は19.4%だった。ハヤテ パートナーズの鈴木健介氏によると、政府は個人事業主の帳簿記録や管 理義務を強化しており、個人事業主に記帳代行サービスを提供している エフアンドエムへの投資などが収益に寄与した。

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