2014年の日本株売買で、海外投資家の買い越 しは08年以来の低水準にとどまった。対照的に信託銀行や事業法人の買 越額は拡大、日本株上昇の原動力となった。

東京証券取引所が9日に発表した14年年間の投資部門別売買動向 (東京、名古屋証券取引所1・2部等合計)によると、海外投資家は差 し引き8527億円買い越した。買い越しは6年連続で、01年から07年の7 年に次ぐ連続記録。ただ、買越額は史上最高だった前年の15兆1196億円 に比べると、大幅に減少した。

年金基金などの動向を映す信託銀行は2兆7848億円の買い越しとな り、投資部門別の買越額でトップ。買い越しは3年ぶりで、金額規模 は08年(4兆5026億円)以来の高水準だ。自社株買いなどを含む事業法 人は1兆1018億円の買い越しで、買い越しは4年連続。金額は前年から 7割強増えた。

大和証券投資情報部の熊澤伸悟課長代理は、海外勢の買い越し基調 の要因として「グローバルの年金資金の拡大に伴う資金が日本株にも入 ったため」とみている。ただ、「13年末にかけて大量に買ったグローバ ルマクロヘッジファンドが、株価低迷による見限りや日本銀行の追加緩 和期待の後退から3-6月にかけて持ち高をアンワインドしたことで、 買い越しは少額にとどまった」と言う。

最大の買い主体となった信託銀については、「通常は逆張りの投資 行動をしやすい信託銀行が、株価が上昇しながらも買い越したことは珍 しい」と熊澤氏。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などが 買い進んできたことが原動力になった、と話した。08年以来の買越額と なった事業法人に関しては、「自社株買いの動きが進んだためで、株式 市場にとって好ましい」と指摘する。

個人、投信は売り越し

半面、個人投資家は3兆6323億円を売り越した。売り越しは3年連 続となる。もっとも、税制改正の影響があった前年の8兆7508億円から は売越額が縮小。投資信託は2105億円売り越し、3年ぶりの売り越しと なった。

14年のTOPIXは、前年末比8.1%高の1407.51と3年連続で上昇 した。日銀の追加金融緩和などを受け、年終盤に上げピッチが加速、一 時約7年ぶりの高値水準を回復したが、海外景気への警戒や消費税増税 の悪影響などで年前半に低迷し、年間上昇率は昨年の51%から大きく縮 小した。

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