ECB、ギリシャ選挙でQE開始先送りも-物価下落で機は熟す

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁にとっ て、量的緩和(QE)を今月中にも開始すべき根拠はこれまでにないほ ど増えた。ただし一つ問題がある。ギリシャへの対応方法だ。

今年初の金融政策決定会合を22日に控え、ECB定例政策委員会メ ンバーらは7日にディナー会合を持った。その数時間前にはユーロ圏の インフレ率が2009年以来のマイナスとなったことや相変わらず高い失業 率が経済指標で示され、国債購入を始める強い根拠が出てきた。

気掛かりなのはギリシャ情勢が再び緊迫してきたことだ。22日の ECB会合から3日後に実施される同国総選挙では、ギリシャ債務再編 を目指す野党が勝利する見通しがあり、国債購入は国家救済には当たら ないとQE反対派を納得させなければならないドラギ総裁には新たな頭 痛の種だ。

ABNアムロ・バンクのマクロ調査責任者、ニック・コーニス氏は 「ECBが追加行動を取る正当性は強く、インフレ率がマイナスになっ たことで、QEを政策委員会で決定させようとするドラギ総裁には有利 なムードとなるだろう」と指摘。その上で、「ギリシャの問題が発表を 複雑にし、ECBは情勢を見極めようと3月まで詳細公表を先延ばしに するかもしれない」と続けた。

ユーロ圏の昨年12月のインフレ率は前年同月比でマイナス0.2%だ った。ドラギ総裁はエネルギー値下がりがインフレ期待を悪化させる恐 れがあるとし、このリスクをECBが見過ごすことはできないとしてい る。それでも、大規模な国債購入決定までには乗り越えねばならないハ ードルがある。バイトマン・ドイツ連邦銀行総裁らは、政府から改革意 欲を奪うなどとしてソブリン債購入に反対しているからだ。

ギリシャ債の扱いは特に注意を必要とする。世論調査で支持率1位 の急進左派連合(SYRIZA)が選挙戦で、債務減免や反緊縮を訴え ているからだ。改革路線を歩み続けることを条件に、ECBは格付けが 投資不適格にもかかわらずギリシャ債をオペの担保として特別に認めて おり、ギリシャ債の8%を既に保有している。ECBは8日、この方針 に変更がないとの声明を出した。

声明はギリシャ債をオペの担保として認める措置の根拠として、救 済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の2015年2月末 までの技術的延長のほか、国際通貨基金(IMF)の現プログラムを挙 げた。さらに、ギリシャがトロイカ(=欧州委員会とECB、IMF) との間で現行救済策をめぐる審査を成功裏に終わらせ、これに続く取り 決めで合意できることも前提にしていると説明した。

原題:Greece Jolts QE Juggernaut as ECB Gauges Deflation Risk: Economy(抜粋)

--取材協力:Nicholas Brautlecht、Alessandro Speciale、Nikos Chrysoloras.