ギリシャ感染リスクへの備え改善-周辺国への波及抑制との見方

ギリシャが2011年にユーロ圏離脱の可能性を もてあそび、翌年2回の総選挙が予断を許さない状況となったことで、 欧州ソブリン債危機の最も暗い闇が訪れた。何があってもユーロを救う と欧州中央銀行(ECB)がその後約束し、ようやく危機に一定の歯止 めがかかった。

ギリシャで政権が再び崩壊しそうな事態となったが、欧州の指導者 や経済がより脆弱(ぜいじゃく)なユーロ圏諸国、金融市場の備えはい ずれも以前より改善されている。ユーロ圏への残留か離脱かといった脅 しがギリシャの選挙キャンペーン中にこだますることになるだろうが、 欧州全域への波及は抑制されたものとなりそうだ。

ベレンベルク銀行のチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディ ング氏(ロンドン在勤)は「ユーロ危機は感染リスクが全てだった。欧 州の感染防御に市場が今後本気で挑むとは考えていない」と話す。

ギリシャ議会が3回目の投票で大統領を選出できず、議会の解散・ 総選挙に追い込まれたことへの投資家の反応は、よく知られた南北の乖 離(かいり)に沿った動きとなった。ギリシャの株式と債券が急落し、 イタリアとポルトガル、スペインの市場も打撃を受ける一方、ハードマ ネーのとりでと目されるドイツに資金が流入した。

しかし状況をよく観察すると、欧州危機のピーク時に7%を上回っ ていたイタリアの10年国債利回りは今は2%前後と落ち着き、財政危機 と呼べる状況からは程遠い。ドイツ国債に対する上乗せ利回り(スプレ ッド)も144ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、11年11月 の553bpを大きく下回っている。

JPモルガン・チェースのアナリスト、デービッド・マッキー氏ら は顧客向けのリポートで、ECBがソブリン債の購入に踏み切るとの期 待もあって、ユーロ圏周辺国の経済条件はスペインやアイルランドを中 心に以前よりも改善されていると分析。「ギリシャの金融市場の動揺は 歴史的に他の市場に悪影響を及ぼしてきたが、同国の政治危機の中期的 な重大性をわれわれはそれほど深刻に受け止めていない」と指摘した。

原題:Why Greece Spillover to Euro Area Set to Be Contained This Time(抜粋)

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