米国債(30日):11年以来で最高のリターンへ、地政学的混乱

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米国債相場は2011年以来で最高の成績で今年 を終えそうだ。米景気は改善し、金融当局は来年の利上げに向かって順 調に進んでいると示唆したものの、地政学的混乱や米国の低インフレが 相場を支えた。

10年債利回りはこの日、1週間ぶりの低水準をつけた。原油相場が 5年ぶり安値近辺で推移したことや、世界的なリスクテーク意欲の減退 が背景。米10年債と他の主要7カ国(G7)国債の利回り格差はここ約 8年での最大付近となっている。ギリシャのサマラス首相は前日、大統 領選出投票で十分な票を集められず、救済合意が脅かされる事態となっ ている。2年債と30年債の利回り差はほぼ6年ぶりの小幅に縮小した。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「欧州の政局に加え、根強いディスインフレ、およびデフレ観 測や原油相場が影響している」と指摘。「相場が急騰しないのは、もう とっくに今年の勘定を締めた投資家が多いからだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.19%。一時は2.17%と、23日以 来の低水準をつけた。10年債価格(表面利率2.25%、償還期限2024年11 月)は1/8上昇の100 17/32。

2年債と30年債の利回り差は207bp。23日には201bpと、09年1 月以来の最小となっていた。

米証券業金融市場協会(SIFMA)の勧告により、31日の米国債 は午後2時までの短縮取引。1月1日は祝日で休場。

「最善の投資先」

ブルームバーグ米国債指数によると、米国債の年初からのリターン は5.9%と、年間では11年の9.8%以降で最高となる見通しだ。償還期限 が10年以上の米国債のリターンは今年に入って24%。1-5年物の米国 債のリターンは1.2%となっている。

他のG7国債の利回り平均に対する米10年債の上乗せ幅は99b p。23日には101bpと、06年11月以来の最大となっていた。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の債券ト レーディング担当シニアバイスプレジデント、マイケル・フランゼーセ 氏は「他のレートと比較してイールドレシオを見た場合、かなり高い値 打ちがある」と指摘。「あらゆる要素を考慮すれば、米国債は最善の投 資先のように見える。世界的に質への逃避先として見なされている資産 の利点だ」と述べた。

ニューヨーク原油先物相場はこの日、一時5年ぶり安値の1バレル =52.70ドルをつけた。

米消費者信頼感指数が前月から伸びたものの、米国債は上昇を維持 した。米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した12月の消費 者信頼感指数は92.6と、前月の91(速報値88.7から上方修正)から上昇 した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は93.9だっ た。

利回り予想

ブルームバーグの調査によれば、アナリストらは米国債利回りが来 年は上昇するとの予想で一致している。金融当局が06年以来で初となる 利上げの準備を進めていることが背景にある。

原題:Treasuries Poised for Biggest Return in Three Years Amid Turmoil(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker.

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