ギリシャ総選挙で債務危機再来の声も-担保適格性の維持が鍵

ギリシャ議会が解散を強いられ、政治が危機 的状況に陥りつつある中で、同国を震源に2009年に始まったユーロ圏債 務危機の再来を懸念する声も上がっている。

ギリシャの銀行向け融資の継続いかんについて、欧州中央銀行 (ECB)は近く決定しなければならない事態に追い込まれる恐れがあ る。解散・総選挙の結果、ギリシャが2月末までに現在の救済プログラ ムに替わる策に合意できなければ、同国の資産を担保として認める ECBの特例措置は無効になるからだ。

ギリシャの政治危機が世界的な注目を集めるのは、09年に同国で始 まり12年には単一通貨ユーロ存続が脅かされるまでに至ったユーロ圏債 務危機を想起させるからだ。域内経済は以来、なかなか回復できず、 ECBは前例のない刺激策を講じている。来年1-3月には量的緩和実 施に踏み切る可能性もある。

ベレンベルク銀行のチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディ ング氏(ロンドン在勤)は「短期的な不透明感どころか、ユーロ離脱の 可能性をはらんだ新たな深刻な危機にギリシャが陥るリスクは30%程度 ある。これは重大なリスクだ」と話した。

サマラス首相は29日、3回目で最後となった大統領選出投票で十分 な票を集められなかった。同国憲法の規定によって議会は解散する。同 首相は1月25日の総選挙実施を求めると述べた。その数週間後にギリシ ャ向けの2400億ユーロ(約35兆3000億円)相当の救済プログラムは期限 切れとなる。

ECBは総選挙の結果待ち

ECBは「議会と政府の今後を決めるのはギリシャの有権者だ。こ の民主的なプロセスにおいて、われわれは介入もコメントもしない」と の声明を電子メールで発表した。

世論調査によれば、ギリシャ救済と引き換えの緊縮・経済改革措置 に反対する急進左派連合(SYRIZA)が総選挙で勝利する公算は大 きい。ECBと欧州委員会、国際通貨基金(IMF)で構成するトロイ カの監督に賛成できなければ、ギリシャ資産を担保として受け入れられ るようECBが10年に初めて緩和した規則の前提条件が崩れかねない。

ECBはリファイナンスオペの担保として通常、投資適格の資産し か受け入れず、ギリシャ国債も政府保証債もこの範ちゅうに入らない。 JPモルガン・チェースによれば、ギリシャの銀行が同オペで借り入れ ている額は11月末現在で450億ユーロ前後、担保は4000億ユーロ弱だ。

ギリシャ資産をECBが担保として受け入れなくなれば、十分な適 格担保を持たない金融機関にはギリシャ中央銀行に緊急流動性支援 (ELA)を求めるという選択肢が残されるが、それでも利用には ECBの承認が必要になる。

原題:Greek Vote Puts ECB Funds at Risk as Crisis Memories Revived (1)(抜粋)

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