米国債:10年債利回りは2週間ぶりの大幅低下-ギリシャ不安

更新日時

29日の米国債相場は上昇。10年債利回りはほ ぼ2週間ぶりの大幅低下となった。ギリシャ政局をめぐる先行き不透明 感が高まり、米国債へ資金を逃避させる動きが活発になった。

主要7カ国の10年債で比較した米国債の上乗せ利回りは8年ぶりの 高水準に接近、投資資金を呼び込んだ。ギリシャが1月に総選挙を実施 する運びとなったことを受けて、ソブリン債危機が再来するとの懸念が 広がった。米財務省短期証券(TB)3年物のレートは1年3カ月ぶり の水準に下げた。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「欧州情勢を受けて 堅調な展開になっている」と指摘。「国外の投資家が利回りを求める動 きと一致している」とも述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて2.20%。一時は16日以来で最大となる6bp低下する 場面もあった。24日には2週間ぶり高水準となる2.30%を付けてい た。10年債価格(表面利率2.25%、償還期限2024年11月)はこの 日、13/32上昇の100 13/32。

欧州債券市場ではドイツ10年国債の利回りが5bp下げ て0.544%。過去最低の0.541%を付ける場面もあった。7カ国の10年債 利回り平均に対する米国10年債の上乗せ利回りは100bp。23日にはこ の差が101bpに拡大し、2006年11月以来の最大となった。

月末特有の買いも

TB3カ月物のレートは0%。一時はマイナス0.0101%を付 け、2013年9月以来の最低に並んだ。

デュレーション延長を目的とした月末特有の買いも、この日の米国 債相場を支えた。

10年債利回りは年初から85bp低下。30年債利回りは同120bp下 げている。

エコノミストらは2015年は状況が変わると見ている。米経済成長が 加速し、米金融当局はゼロ金利を解除する準備を整えている。ブルーム バーグのデータによると、高利回りを求める動きは、米国債が過去最悪 の損失を被った2009年以来で最も強くなっている。

三菱東京UFJ銀行のチーフ金融エコノミスト、クリス・ラプキー 氏は電話インタビューで、「来年はついに脱出の年になるはずだ」と述 べ、「イエレン議長と連邦公開市場委員会(FOMC)が引き締めに一 段と近づきつつあるという見方を市場は無視している。市場は思い違い をしている」と指摘した。

ギリシャ・リスク

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では、10年債 利回りは2015年末の時点で3.01%に上昇、30年債利回りは3.7%、2年 債利回りは1.53%と予想されている。

ギリシャではサマラス首相が3回目で最後となる大統領選出投票で 十分な票を集められなかったため、議会は解散する。同国経済をこれま で支えてきた国際的な支援が途絶えるリスクが生じている。これを受け て、ドイツ国債は上昇した。

FTNファイナンシャル(テネシー州メンフィス)の機関債リサー チ責任者、ジム・ボーゲル氏は「数年に及ぶ緊縮財政を経て回復期に入 ったにもかかわらず、なお苦境が続いている。各国リーダーがこの苦境 にどう対応するのか、債券市場は注目している」と述べた。

原題:U.S. Yields Fall Most in 2 Weeks as Greek Turmoil Stokes Demand(抜粋)

--取材協力:Lukanyo Mnyanda.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE