米国債市場の心理、09年以来最悪-米金融政策の変化で

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米国債市場は悲惨な1年に備えよ。これがウ ォール街の予測者たちからのメッセージだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が2015年に約10年 ぶりの利上げを行う態勢を取る中、金融機関は米国債利回りの上昇が避 けられないと確信している。ブルームバーグの集計データによれば、来 年の金利上昇予想は09年以降で最も強力だ。米国債は09年に記録的な下 げを演じていた。

ただ、正しく予測するのは簡単なことではない。米当局の債券購入 終了による今年の債券相場下落を予測していた人は、ほとんど全員が不 意打ちを食らった。米国の賃金の伸び悩みと新興国の混乱を受けて、米 国債のリターンは11年以来最高の水準に達したからだ。そして今度は、 債券市場でのインフレ見通しは低下しているものの、金融機関は経済が 上向く中で米国債の勝算は低いとの見方を堅持している。

三菱東京UFJ銀行のチーフ金融エコノミスト、クリス・ラプキー 氏は電話インタビューで、「来年はついに脱出の年になるはずだ」と述 べ、「イエレン議長と連邦公開市場委員会(FOMC)が引き締めに一 段と近づきつつあるという見方を市場は無視している。市場は思い違い をしている」と指摘した。

ラプキー氏はブルームバーグが74人のエコノミストとストラテジス トを対象に今月実施した調査の回答者の1人。同氏は10年債利回りが先 週の2.25%から15年末までに3.4%に上昇すると予想している。1月時 点では同利回りが現在までに3.6%を付けていると予測していた。

予想中央値では、15年末までに同利回りは3.01%を付けると見込ま れている。約0.75ポイントの利回り上昇となれば、14年にエコノミスト らが予想していた幅の2倍近くとなる。

弱気予想

予想中央値では2年債利回りは2倍強の1.53%に達し、30年債利回 りは0.89ポイント上昇し3.70%を付けると予測されており、債券相場の 先行きについては09年直前の時期以来で最も弱気な心理が反映されてい る。当時は、米国が金融緩和策を受けて大恐慌以来最悪の経済危機から 回復し始めたため、米国債利回りはどの年限も1ポイントを超える上昇 が見込まれていた。09年の米国債リターンはマイナス3.7%と、1978年 以降で最低だった。

米国債相場は今年5.6%上昇し、利回りは低下した。今年の相場の 方向性を読み誤った後、金融機関の間では再び米国債の急落が近いと確 信する予測者が増えている。先月のブルームバーグ・グローバル・ポー ルでは、下落を見込む資産を一つだけ挙げる項目で国債を選んだ回答者 は20%と、カテゴリー別で最高の割合だった。

その最大の理由の一つは米経済の強さにある。先週発表の7-9月 (第3四半期)の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率5% 増と、03年第3四半期以来で最高だった。失業率は約6年ぶりの低水準 の5.8%。

原題:U.S. Bond Sentiment Is Worst Since Disastrous ’09 as Fed Shifts(抜粋)

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