日本株は反落、午後にリスク回避姿勢強まる-輸出など軟調

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29日の東京株式相場は反落。エボラ出血熱へ の警戒やギリシャの大統領選出投票の接近でリスクを回避する動きが強 まり、午後にかけ先物主導で売られた。輸送用機器など輸出関連、不動 産株が下げ、海外原油先物の下落を嫌気し、石油や鉱業株も安い。

TOPIXの終値は前週末比2.83ポイント(0.2%)安の1424.67、 日経平均株価は89円12銭(0.5%)安の1万7729円84銭。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「来年の日本株に投資 家は基本的に強気だが、高値圏にあって年末年始の長い休みの直前でポ ジション(持ち高)を引っ張るほど極端な強気ではない」と指摘。売り たいセンチメントが強い中では、「エボラでも何でも売りのきっかけと して捉えられる」と話した。

米国年末商戦の堅調や為替の安定、日本政府の経済対策への期待な どから、午前のTOPIX、日経平均はプラスで推移したが、午後開始 早々からマイナス圏に転じ、一時日経平均は293円安まで崩れた。西ア フリカのシエラレオネから今月帰国した東京都の30代男性がエボラ出血 熱感染の疑いがある、と共同通信がこの日午前に報道。午後は先物に売 り圧力が強まり、現物株にも裁定解消の動きが広がった。

日本株はあす30日に大納会を迎え、来年1月5日の大発会まで土日 を含め5連休に入る。「ギリシャの大統領選もリスクとして認識されて いる。順調にいっていた財政再建が反故になる可能性があるため、大発 会では海外市場の影響を受けるかもしれない」と、みずほ投信の岡本氏 は言う。

ギリシャで大統領選出投票

ギリシャ議会は29日午後0時(日本時間同7時)に3回目となる大 統領選出投票を実施する。サマラス首相は早期の解散総選挙を回避する ため、スタブロス・ディマス元欧州委員の大統領選出を狙っており、定 数300のうち180票が必要となる。23日の2回目投票では168人の賛成票 を獲得したが、180票以上の賛成票を得られなかった場合には同国憲法 の規定により議会は解散、総選挙が行われる。

業種別では輸出関連株のほか、石油や鉱業株も下げた。26日のニュ ーヨーク原油先物価格は2%安の1バレル=54.73ドルで終え、週間で は5週連続安だった。石油輸出国機構(OPEC)が減産圧力に屈しな いとの見方から、世界的な供給超過が進むとの懸念が背景にある。

もっとも、小売や建設、陸運など内需関連株の一角は堅調で、取引 終盤にかけ株価指数も下げ渋った。2014年の米年末商戦の売り上げは3 年ぶりの高水準になるとの楽観的な見方が強まり、26日の米国株は、小 型株で構成するラッセル2000指数が最高値を更新、ナスダック総合指数 は2000年以来の水準に達した。

また、日本政府は27日の臨時閣議で緊急経済対策を決定し、規模は 国費で3.5兆円程度。実質国内総生産(GDP)の押し上げ効果を「お おむね0.7%程度」と見込む。野村証券では、3.5兆円は事前報道通り で、実際のGDP押し上げ効果は0.39%程度にとどまると試算。ただ し、民間需要が10-12月以降 にプラス基調に転じる公算が大きい中、 「景気対策の規模は日本経済を支えるには十分」との見解も示した。

丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「安倍政権が長期化に向け落ち 着く可能性が高まり、企業業績の上振れから来年相場の先高期待が強 い」としている。日経平均の1株利益は今期15%増、来期は10%程度の 拡大が見込まれ、来年の高値はPER16倍評価で2万800円と予想し た。

東証1部33業種は石油・石炭製品、不動産、鉱業、パルプ・紙、ゴ ム、金属製品、輸送用機器、倉庫・運輸、精密機器など23業種が下落。 水産・農林、電気・ガス、小売、建設、保険、卸売、鉄鋼、非鉄金属な ど10業種は高い。

売買代金上位ではマツダ、マーベラス、ミネベア、ケネディクス、 三菱地所、アルプス電気、スズキ、昭和シェル石油、三菱ケミカルホー ルディングスが下落。東京電力や三井住友建設、セブン&アイ・ホール ディングス、熊谷組、神戸製鋼所、東ソー、東京ガス、大豊建設は高 い。東証1部の売買高は19億3247万株、売買代金は1兆7967億円。値上 がり銘柄数は1090、値下がりは646。

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