債券は上昇、需給の逼迫感が相場の下支え

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債券相場は上昇。日本銀行による大量の長期 国債買い入れオペを背景とした需給の逼迫(ひっぱく)感が根強く、相 場の下支え要因となった。

長期国債先物市場で中心限月の2015年3月物は前週末比9銭高 の147円78銭で取引を始めた後、一時は147円80銭まで水準を切り上げ た。午前10時10分すぎに日銀が29日のオペを通知しなかったことで、い ったん147円71銭まで売られたが、下値は限定的で、結局は8銭高の147 円77銭で取引を終えた。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の336回債利回りは前週末午後3時時点と同水準の0.325%で取 引が成立。その後は0.320%と0.325%を上下している。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー は、29日は日銀の国債買い入れオペがなかったものの、30日には実施さ れる見通しで、債券相場は「底堅い動きをしている」と指摘。「年内の オペレーションはほとんど終わっている」と言い、「売りが出にくい」 面もあるとしている。

年明けは入札や日銀オペにらみ

年明け1月6日には10年利付国債の入札が控えている。ドイツ証券 の山下周チーフ金利ストラテジストは、「10年債入札は多少なりとも需 給が緩むタイミング」として、「ここからの10年債の買いは日銀トレー ドが目的になり、積極的には買い進みづらいのではないか」とみる。

日銀は10月末の追加緩和で、資金供給手段である長期国債買い入れ オペを従来の月6兆-8兆円から8兆-12兆円に増額した。政府による 今年度の市中発行額155.1兆円に対し、年換算で最大9割超にも及ぶ計 算だ。同オペは毎月10回のペースで実施しており、今月は残り1回が30 日に行われる見込みだ。

DIAMの山崎氏は、12月の10年債利回り低下は、日銀の買い入れ など良好な需給環境に加え、短中期債利回りの低下に連動した面がある と指摘。来年1月以降の日銀オペでは1-3年、3-5年の買い入れ減 額が観測される中、需給悪化の可能性もあるとして、長期金利は「一方 的に0.2%に向けて低下するかというと、そんなことはない」としてい る。

新発10年物国債の利回りは先週末に一時0.300%を付け、過去最低 の記録を2日連続で塗り替えた。東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ス トラテジストは、同利回りについて、「年内の最低水準を見た公算が大 きそうだ」と話していた。

--取材協力:船曳三郎.

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