タカタ:外国人社長が取締役に降格、創業家トップの責務増す

エアバッグ問題の渦中にあるタカタは外国人 社長が取締役に降格し、創業家の高田重久会長兼最高経営責任 者(CEO)が社長を兼務することになった。意思決定の迅速化を図る一 方、高田氏はこれまで以上に重い責務を追うことになる。

タカタの発表資料によると、ステファン・ストッカー社長が辞任し て代表権のない取締役に降格、会長の重久氏が社長を兼務することを24 日の取締役会で決議した。一連の人事は24日付。広報担当の松本英之氏 は、ストッカー氏自身が会社の意思決定統一のため代表権の返上を申し 出たもので、引責辞任ではないとしている。

エアバッグの不具合問題では、米当局が搭載車両のリコールを全米 規模へ拡大するよう求めていたが、タカタは自らこれに応じず、自動車 メーカーが相次ぎリコールに踏み切る展開になっている。死傷事故の報 告もあるほか、米国では訴訟も提起されるなど会社経営の責任問題も今 後の焦点になる。

アトランティス・インベストメント・リサーチのエドウィン・マー ナー社長は今回の人事について、一族経営に戻るような印象があり、ネ ガティブだと述べた上で、経営体制を一新しなければ生き残りは難しい との見方を示した。

タカタはまた、役員報酬の一部返上も決めた。高田会長は月額報酬 の50%、ストッカー氏が同30%、その他の取締役が同20%を、いずれも 4カ月返上する。今期(2015年3月期)は多額の製品保証引当金を繰り 入れたことにより大幅な最終赤字の見通しになったことや、中間配当を 見送ったことなどを厳粛に受け止めた対応としている。

リコールは2000万台規模に

タカタ製エアバッグの不具合をめぐっては、ホンダなど自動車メー カーが搭載車両のリコールに相次いで踏み切り、不具合の疑いのあるエ アバッグを含めて、正常な部品に取り替える作業を進めている。対象規 模は世界で2000万台を超える見通し。

有価証券報告書によると、ストッカー氏は独自動車部品メーカーの ボッシュ出身。13年2月からタカタ執行役員を務め、同6月に社長に昇 格していた。公式ウェブサイトによると、タカタは1933年に高田武三氏 が滋賀県彦根市で創業した高田工場を前身とする。高田重一郎氏が社長 を継ぎ、重久氏は重一郎氏の長男にあたる。

タカタ株式の大半は高田一族が事実上、保有。14年3月末の大株主 名簿によると、 重久氏と弟の弘久氏、母親の暁子氏が役員に名を連ね るTKJが52.1%を保有する筆頭株主で、重久氏と暁子氏の保有分を加 えると計57.1%に達する。

タカタ株は午前終値で前日比1.8%高の1350円で、年初来では55% の下落となっている。

--取材協力:萩原ゆき.

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