「サイバーポルノの女王」の村、子供の性的虐待が家内産業に

フィリピンのイババオ村に向かう狭い道路沿 いには、キャッサバケーキやロープ作り、貝殻を使った宝飾品など伝統 的な手工芸品を宣伝する看板が並んでいる。この地域でここ数年間行わ れてきた不健全な商売の存在を感じさせる気配はない。その商売とは、 児童ポルノだ。

ここは、子供の性的搾取が行われていた地域として世界的に知られ るようになった。当局によれば、その中心人物はエイリーン・オントン 被告だった。同被告は、地元メディアから「サイバーポルノの女王」と 呼ばれ、フィリピンと米国の警察当局によれば、少なくとも7年間にわ たり注文に応じてウェブカメラの前で子供たちを性的に虐待し、その映 像をオンラインで他国に流して現金を稼いでいた。

捜査当局によれば、コンクリートと合板作りで十字架とイエス・キ リストの絵が飾られたオントン被告の自宅にある間に合わせの撮影所に は全部で35人の子供たちが足を踏み入れた。中には5歳の子もいた。そ こで子供たちはみだらな行為や性行為をしたり、自分たちの体をカメラ の前にさらしたりした。警察当局によると、近隣の人々が自分の子供た ちをこのショーに出演させ、自宅で同じような行為をさせるようになる のに長い時間はかからなかったという。

「この地域で家内産業のようになった。住民たちはオントン被告が カネを稼いでいるのを知っていたからだ。生活費を稼ぐには働くよりも こちらの方が簡単だった。彼らは自分たちのしていることが悪いとは思 っていない」。フィリピン国家捜査局(NBI)のアブドゥル・ジャマ ル・ディマポロ捜査官はそう語る。

警察当局は、オントン被告がここ数年間に約20万ドル(約2400万 円)を稼いでいたと推計している。裸の子供たちの写真は50ドル、ウェ ブカメラの前で裸を撮影する場合は100ドル、子供たちの性行為のライ ブ映像は最高500ドル。子供たち、あるいは両親は、ショー1回につ き10-18ドルを得ていた。

オンラインへの移行

この事件に関与したオントン被告の親族や夫ら一家は現在、自宅か ら24キロメートル離れたセブ州勾留更生施設に収容されている。NBI によれば、一家は児童ポルノや児童虐待、フィリピンの人身売買に関す る法律に違反した罪に問われ、終身刑を言い渡される可能性がある。 NBIによれば、オントン一家は無罪を主張している。一家の弁護士に 何度も電話をかけ、文書を送付したが回答は得られていない。

フィリピンの遠隔地のスラムに住む貧困層の子供たちは最近、街角 やホテル、ディスコなどで売春をして働く代わりにオンラインのビデオ サービスを利用したわいせつなショーに出演させられるようになってい る。

児童ポルノに巻き込まれた少女のためのシェルターを運営するプレ ダ基金によれば、フィリピンでは毎年、約6万人の子供たちが児童売春 をしていると推計されるが、このうち1万人がオンラインポルノでカネ を稼いでいる可能性がある。同国では人口の25%が貧困ラインを下回っ ており、ウェブカメラで撮影されるわいせつなショーによる収入は食料 の購入や自宅の改修などに利用されている。

原題:The ‘Queen of Cyberporn’ and Her Town’s Industry of Child Abuse(抜粋)

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