15年を占う、原油安の中でOPECとシェール業者の次の一手は

2014年の原油相場急落は世界の地政学的な勢 力図を塗り替えた。15年に注目すべきは、そこから誰が勝ち残るかだ。 石油輸出国機構(OPEC)か、ロシアか、米国のシェール掘削業者 か。

原油の国際指標価格は14年に最大49%下落した。迅速な回復を期待 する向きには失望が待っている。世界の消費量の伸びは09年以来で最小 となり、米国の産油量は1980年代以来で最大。OPEC内でも価格戦争 が勃発している。

ブラウン大学ワトソン国際問題研究所のジェフ・コルガン教授は 「OPECというカルテルが実は価格を動かしてはいないという認識が 広がっている今は転換点だ」と指摘。「本当の主役は水圧破砕業界にな るだろう。北米の生産者がどこまで痛みに耐えられるかだ」と指摘し た。

15年の原油市場の懸念材料は次の5つ。

◎OPECは団結を保てるか

市場の約40%をコントロールするOPECに亀裂が見え始めてい る。

ブルームバーグのデータによれば、OPEC加盟国の産油量は2012 年1月以降、日量3000万バレルの生産目標を平均で88万6000バレル上回 ってきた。OPECは11月の総会で生産目標を引き下げなかったが、 OPEC自身の需要見通しは生産目標を日量100万バレル以上下回 り、12年ぶりの低水準。

ブラックロック・アドバイザーズの主任投資ストラテジスト、ジェ フリー・ローゼンバーグ氏は11月21日のブルームバーグテレビジョンと のインタビューで、「OPECはカルテル維持が難しくなっている。全 ての加盟国が収入を確保するため生産量を増やしたがっている」と指摘 した。

◎シェールブームは衰えるか

サウジアラビアはOPECの生産目標引き下げに反対し価格下落を 容認した。トレーダーやアナリストはこれを、生産コストの高い米国の シェールオイル生産業者への挑戦と受け止めている。タイトオイル(シ ェール層埋蔵原油)会社の幹部らが電話会議で語ったところによれば、 少なくとも12社が生産計画を縮小させた。

スタンダードチャータードの商品調査責任者、ポール・ホースネル 氏は「価格が下落する中、タイトオイルの経済学は本当のところどうな のか、見届けるのは極めて興味深い」と話している。

◎世界の需要は回復するか

欧州とアジアの景気の弱さに起因する需要減退が原油の弱気相場入 りにつながった。シティグループとゴールドマン・サックス・グループ は原油安が景気への刺激材料になり得るとみている。

国際エネルギー機関(IEA)は15年の世界の石油消費が日量90万 バレル増えると予想。14年見積もりは70万バレル増。一方、米国のガソ リン需要は横ばいだ。車の燃費が良くなっていることに加え、若い都市 生活者が公共交通機関を利用していることが背景。

ナスダックのエネルギー担当アナリスト、タマー・エスナー氏は、 「効率向上は恒久的な需要押し下げ要因で、価格が下がったからといっ て需要が回復するわけではない」と述べた。中国や欧州の景気が注目さ れているが、原油価格の「動向を変化させるほどの改善は予想していな い」とも語った。

◎米国が輸出を増やすか

原油安は米国産未精製油の禁輸解除をめぐる議論を呼び起こした。 禁止されていない製品の輸出は既に増えており、法が改正されれば米国 からの輸出は最大で日量150万バレル程度に達すると、エネルギー情報 局のアダム・シミンスキー局長が11日に下院小委員会で述べている。

◎政治不安が供給を妨げるか

ウクライナ紛争が激化し、イスラム国がバグダッドを脅かしていた 6月、アナリストらは原油価格が1バレル=114ドルを超えてどれだけ 上昇するだろうかと考えていた。

今は考え方が逆になり、1バレル=60ドルの水準が既に不安定な諸 国の緊張をどれだけ高めるかが焦点になっている。エドワード・ジョー ンズのエネルギーアナリスト、ブライアン・ヤングバーグ氏は「地政学 的リスクが原油下落の悪い面の一つであることは確かだ」と述べた。

原題:What’s Next for OPEC, Shale as Lower Oil Prices Extend Into 2015(抜粋)

--取材協力:Mark Shenk、Grant Smith.

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