出光、昭シェル株など石油元売り株が上昇-業界再編報道受け

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石油元売りで売上高2位の出光興産が、同5 位の昭和シェル石油の買収に向けて交渉に入ったとの20日付の報道を受 け、昭シェル株は3割近い上昇率を記録した。これに伴い、再編機運の 高まった石油元売り各社の株価は軒並み上昇した。買収が実現すれば、 業界トップクラスの競争力確保も可能とアナリストは評価している。

22日の取引で、出光株は前週末比2.5%高の2075円、昭シェル株は 少なくとも1974年以来で最大の上昇率となる同28%高の1302円で取引を 終えた。TOPIXが0.2%高にとどまったのに対し、業界最大手の JXホールディングスは6.5%高、同3位のコスモ石油は19%高、同4 位の東燃ゼネラル石油は5.6%高となった。

出光が2015年度前半をめどに昭シェルに対して株式公開買い付け (TOB)を実施し、総額5000億円で子会社化する交渉に入ったと日本 経済新聞の20日付朝刊が報じた。これに対し、出光は20日、文書を通じ 「決定した事実はありません」としながらも、「事業再編に関して幅広 く検討」しており、昭和シェルとも「さまざまな可能性について協議」 しているとコメント。昭和シェルも同日、選択肢の一つとして出光とも 協議している、とした。

SMBC日興証券の塩田英俊シニアアナリストは22日付のレポート で、2-3割の買収プレミアムが上乗せされる昭シェル株にとってはポ ジティブと評価。一方で、出光の経営判断に対しては長期的には評価さ れるものの、買収に伴う有利子負債が今後約5000億円増加するとみられ 「短期的にはネガティブ」と指摘した。

プレミアムを織り込む

ブルームバーグの集計データによると、19日時点の昭シェルの時価 総額は約3844億円で、日経報道による買収総額5000億円は、市場価値に 対して約30%の買収プレミアムが上乗せされた水準となる。22日の昭シ ェル株の急騰はこれにさや寄せする格好となった。

塩田氏は、製油所の立地で補完関係にある両社の経営統合により、 JXと同じ全国6製油所体制となるうえ、産業向けで厳しい価格競争を 強いられるC重油や石油化学原料用ナフサの販売量の構成比が低いこと から、今後の合理化や効率化次第では「業界No.1の競争力を確保す ることは十分可能」と評価した。

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