出光:昭和シェル買収で交渉、5000億円規模のTOB-日経

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売上高で石油元売り2位の出光興産は、同5 位の昭和シェル石油の買収に向けて交渉中だと日本経済新聞が20日付朝 刊で報じた。この報道によると、2015年度前半をめどに株式公開買い付 け(TOB)を実施して子会社化を目指すとしている。買収額は5000億 円規模になる見通しだという。

来年2月にも両者が基本合意書を交わした上で出光がTOBを実施 する予定で、昭和シェルの筆頭株主で約33%を保有する英・オランダ系 ロイヤル・ダッチ・シェルもTOBに応じる方向だと伝えている。ブル ームバーグ・ニュースのデータによると19日時点の昭和シェル石油の時 価総額は約3844億円となっており、市場価値に対して約30%の買収プレ ミアムが上乗せされることになる。

出光は、日経報道について「事業再編に関して幅広く検討してお り、昭和シェルとも様々な可能性を協議している」とのコメントを発表 した。ただ、現時点では「決定した事実はない」としている。昭和シェ ルも、選択肢の一つとして「出光とも協議している」とした。

一方、週末で就業時間外であるため、ロイヤル・ダッチ・シェルの 広報キンバリー・ウインドン氏(在ロンドン)や、昭和シェルの株式 約15%を保有するサウジアラビア国営石油会社からもコメントは得られ なかった。

人口の減少やエコカーの普及、産業界での重油から天然ガスへの燃 料転換などで石油製品需要は減少し続けており、経済産業省は2018年度 の石油製品需要は13年度比で7.8%減少すると予想。過剰な精製設備を 抱える石油元売り各社は設備の廃棄や再編を求められていた。

同省は6月、競争力強化法50条に基づいて実施した調査報告書を公 表。この報告書では、過剰な供給が石油元売りの利益を圧迫していると し「石油精製業者は『資本の壁』や『地理的な壁』を超えた事業再編な どに積極的に取り組むことが期待される」との見解を示した。

さまざまな企業と交渉

共同通信によると、出光の月岡隆社長はきょう午前、記者団に対し 「さまざまな企業と事業再編に向けて交渉しているが決定はしていな い」と語った。

09年には新日本石油が九州石油を吸収。10年には新日本石油と、ジ ャパンエナジーを傘下に抱えていた新日鉱ホールディングスが経営統合 しJXホールディングスが誕生するなど、ここ数年でも石油元売り業界 では再編の動きが続く。製油所の数も減っており、経産省の資料による と1983年の49カ所から足元では23カ所まで減少した。

供給過剰による石油製品販売の利ざや(マージン)圧迫は世界的な 共通課題となっており、シェルや米エクソン・モービルといった国際石 油資本による製油所閉鎖や精製事業からの撤退が相次いでいる。国内で もエクソン・モービルが12年に過半を保有していた東燃ゼネラルの出資 比率を減らした。

SMBC日興証券の塩田英俊シニアアナリストは15日発表したリポ ートで、石油各社の14年7-9月期の決算は想定よりも低収益に留まっ たと指摘。各社は収益体質を立て直す必要があり「設備削減や製油所の 閉鎖、他社とのアライアンスや企業再編など、大胆な施策の実施が望ま れる」との見方を示していた。

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