日本株は連騰、米統計と世界株高でリスク選好戻る-金融主導

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19日の東京株式相場は連騰。米国経済統計の 堅調、米早期利上げ観測の後退を受けた世界的株高の中で投資家のリス ク選好姿勢が戻った。証券や銀行、保険など金融株、不動産株、輸送用 機器など輸出関連株中心に東証1部33業種中、32業種が高い。

TOPIXの終値は前日比33.29ポイント(2.4%)高の1409.61、 日経平均株価は411円35銭(2.4%)高の1万7621円40銭とともにきょう の高値引け。TOPIXは終値で7営業日ぶりに1400台を回復。

セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「急落 後の反動もあり、力強い回復というイメージは持ってはいないが、連邦 公開市場委員会(FOMC)の判断に対し市場で安心感が広まってい る」と言う。なお下値模索の状況にある原油価格については、「短期的 なショック反応はあるが、ファンダメンタルズにはプラス要因」との認 識を示した。

18日に発表された先週の米新規失業保険申請件数は前週から6000件 減少し、28万9000件となった。11月初め以降で最も低い水準。11月の米 景気先行指標総合指数は前月比0.6%上昇し、市場予想の0.5%上昇を上 回った。好調な米統計に加え、前の日のFOMC判断を好感する動きか ら18日の米主要株価3指数はそろって大幅高、ダウ工業株30種平均 は400ドル以上上げた。

東洋証券投資情報部の檜和田浩昭シニアストラテジストは、 FOMCで「相当な期間」という文言が削除されなかったことが「米国 に限らず、日本へも投資マネーの流入期待を誘っている」と話す。

為替も円安方向

きょうの日本株は朝方から幅広い業種に買いが優勢、午前は上値が 重くなる場面もあったが、午後は大引けにかけじりじりと上げ幅を広げ た。ドル・円相場が午後に入り1ドル=119円台前半と、午前の118円台 後半、前日の東京株式市場の終値時点118円48銭から円安方向への動き を強めたことも投資家心理を好転させた。「直近は一時的にリスク圧縮 の円買いもあったが、安心感が拡大している」と檜和田氏はみる。

きょうのアジア株は、香港や台湾、韓国、シンガポールなど総じて 高く、一時軟調だった中国上海株も徐々に上昇基調。直近急落からの世 界的株価反発の流れが続いている。

日本銀行は19日の金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を1対 8の賛成多数で決めた。木内登英審議委員が反対票を投じた。日銀は当 面、原油価格下落が経済・物価に与える影響のほか、10月31日の追加緩 和の効果を見極める方針。

東証1部33業種は不動産、証券・商品先物取引、輸送用機器、銀 行、その他金融、保険、ゴム製品、卸売、食料品、鉱業などが上昇率上 位。水産・農林の1業種のみ小安い。市場安定を映して相対的に金融株 の強さが目立ち、銀行はTOPIXの押し上げ寄与度でも2位。香港パ リー・インターナショナル・トレーディングのマネージング・ ディレ クター、ギャビン・パリー氏は「地方銀行の再編も構造改革のテーマか らすると好感できる」としていた。きょうは筑波と栃木、東和の北関東 地銀3行が地域活性化で連携と時事通信が報じる材料もあった。

売買代金上位ではトヨタ自動車、ソフトバンク、三井住友フィナン シャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、JT、三菱地 所、ファナック、富士フイルムホールディングス、野村ホールディング ス、石塚硝子が上昇。ソニーやセイコーエプソン、マーベラスは下げ た。きょう東証1部に新規上場した浄水場プラントを設計、施工するメ タウォーターの初値は公開価格を6%下回った。東証1部の売買高は27 億930万株、売買代金は2兆8847億円。上昇銘柄1575、下落200。

--取材協力:Anna Kitanaka.

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