NY外為:スイス・フラン1年半ぶり大幅安、マイナス導入で

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ニューヨーク外国為替市場ではスイス・フラ ンが対ユーロで1年半ぶりの大幅安。スイス国立銀行(SNB、中央銀 行)が自国通貨の上限を維持するためにマイナス金利を導入したことが 影響した。

ユーロは対ドルで2日続落。スイス中銀の措置を受けて、欧州中央 銀行(ECB)が来年に追加緩和を講じるとの観測が広がった。ドル指 数は5年ぶり高水準を付けた。連邦公開市場委員会(FOMC)が「相 当の期間」にわたるゼロ金利維持から、利上げに向けて「辛抱強くなれ る」とガイダンスを変更したことを受けて、来年の利上げ観測が強まっ た。

FXCMの調査部門デーリーFX・ドット・コムの為替アナリス ト、デービッド・ソング氏(ニューヨーク在勤)はスイスの決定につい て、「ECBを理由にSNBが警戒しているあからさまな兆候だ」と指 摘。「SNBは緩和サイクルにおいてECBと歩調を合わせるだろう」 と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、スイス・フランは0.3%下げて1 ユーロ=1.20401フラン。一時は0.7%下げ、10月10日以来の安値を付け た。日中の値下がりとしては2013年5月以来で最大。

ドルは対円で0.2%高い1ドル=118円84銭。前日は10月31日以来で 最大の1.9%上昇だった。ドルは対ユーロでこの日、0.5%上昇し1ユー ロ=1.2286ドル。一時は8日以来の高値となる1.2266ドルを付けた。円 は対ユーロで0.3%上げて1ユーロ=146円1銭。

2009年3月以来の高水準

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は1121.52でほぼ変わらず。 一時は終値ベースで2009年3月以来の高水準となる1124.45を付けた。

JPモルガン・チェースのグローバルFXボラティリティー指数 は10.10に上昇し、2013年9月以来の水準に達した。

バンク・オブ・ノバスコシアの為替戦略責任者、カミラ・サットン 氏(トロント在勤)は「為替市場でボラティリティー上昇が続いてい る」と指摘。「主要通貨に関してはファンダメンタルズよりも、流動性 とリスク回避の主導で大量の資金が動いている」と述べた。

スイス・フランは主要16通貨のすべてに対して下落。SNBは市中 銀行から預かる要求払い預金について、1970年代以来で初となるマイナ ス金利を導入。1ユーロ=1.20フランの対ユーロ相場上限を守るため、 無制限の外貨買い介入を実施する用意があると表明、必要とあればさら なる行動も辞さないと発表した。

イエレン議長、利上げ期待

今年のドルは15通貨を除いたすべての通貨に対して上昇。米金融当 局が主要国で一番先に利上げに踏み切るとの観測が背景にある。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は前日の記者会見 で、金融政策が来年の引き締めに向かっていることを示唆。FOMC声 明には利上げ開始に向けて「辛抱強くなれる」と表記された。

ゲイン・キャピタル・ホールディングス傘下フォレックス・ドッ ト・コムのアナリスト、マット・ウェラー氏は「利上げ期待に加え、米 国以外に現実的な利上げ期待がないことがドルを支えるだろう」と指 摘。「ドルは特に来年上期、さらに堅調になると見込まれる。米経済の 改善が続き、他国との違いが顕著になるからだ」と述べた。

原題:Swiss Franc Slips Most Since 2013 on Negative Rates; Pound Rises(抜粋)

--取材協力:大塚美佳、Kevin Buckland、三浦和美、Mariko Ishikawa、Eshe Nelson.

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