FOMCは市場から学べ-引き締め先送りが必要な5つの理由

債券トレーダーは数年来、米連邦準備制度の 金利や経済の見通しが外れるのを目にしてきた。このため、原油急落で 世界の市場が混乱し、成長見通しが低下する状況での2015年の利上げ観 測に対して疑ってかかるのもあまり不思議ではない。

FTNファイナンシャルの債券ストラテジスト、ジム・ボーゲル氏 は16日付のリポートで、「当局は市場の混乱を理解していると信じてい る」が、「中央銀行は世界の金融情勢に関してはもっと学ぶべきことが ある」と指摘した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は16、17の両日に金融刺激策の 解除計画や原油急落による見通しへの影響を徹底討論して2日間の日程 を終了。06年以来となる利上げの時期については「辛抱強くなれる」と 表明し、来年末時点の政策金利見通しを引き下げた。

こうした中、トレーダーは以下の5つの方法で当局に引き締め戦略 を先送りすべきだと伝えている。

1.インフレ期待は当局が10年に量的緩和第2弾(QE2)を開始する 直前の水準付近に低下した。QE2はインフレ高進を招くと懸念され物 議を醸した。実現しなかったが、インフレ加速期待こそ当局が求めてい たものだ。トレーダーは現在、向こう5年間の消費者物価指数 (CPI)上昇率を約1%と予想(チャート参照)しており、当局が物 価安定の目標とする2%を大きく下回る。

2.米企業の借り入れコストは高リスク企業を中心に急上昇(チャート 参照)し、この市場がバブル状態にあるとの懸念は弱まっている。原油 価格が1バレル=60ドルを割り込み事業モデルに疑問が投げ掛けられて いるジャンク級(投機的水準)のエネルギー企業では、平均利回り は10.4%と、6月時点の5.7%のほぼ2倍であることが、バンク・オ ブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数データに示されている。こ れらの企業の設備投資が従来通りに行かなくなることは確かだ。

3.さらに、商品相場は総崩れだ(チャート参照)。ブルームバーグの 指数によると、原油やトウモロコシ、銅などの商品価格は今年、14%下 落し、09年4月以来の安値を付けた。こうした惨状が続けば、インフレ 期待をさらに押し下げるとともに、当局が金融政策を引き締める必要性 も低下する。

4.市場のストレスは高まっている(チャート参照)。BOAがまとめ た金融ストレスの指数によれば、資産クラス全体の下落に備える保証コ ストは1年3カ月ぶりの高水準に達した。この指数は株式や米国債、通 貨、商品の市場のボラティリティを追跡する。下げ相場が深刻化すれ ば、利上げに最適な時期ではなくなる。

5.FOMC参加者は政策金利が長期的に4%に近づくと予測するが、 トレーダーは異論を唱えており、短めの金利には約2.66%の水準(チャ ート参照)を織り込んでいる。この市場はプランを見直すべきだと米当 局に伝えている。

原題:Five Reasons Traders Say the Fed Has to Learn From Markets (1)(抜粋)

--取材協力:Callie Bost、Liz Capo McCormick.

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