GPIFや共済:外国証券積み増し2.2兆円、国債圧縮額とも最高

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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF )や共済年金などの「公的年金」は7-9月期に、海外の債券や株式を 過去最大の2兆2124億円買い越した。日本銀行が18日公表した資金循環 統計で明らかになった。

GPIFや国家公務員共済組合連合会(KKR)、地方公務員共済 組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団、年金特別会計などの公的 年金は国債・財融債を5四半期連続で売り越し、過去最大の2兆8464億 円を記録した。保有残高は62兆554億円と2006年6月末以来の水準まで 減った。国庫短期証券はほぼ横ばいだった。

日本株の買い越しは6005億円で、4四半期連続。株価の上昇もあっ て保有額は30兆1353億円と昨年末に付けた過去最高を更新した。外国証 券の買い越しは5四半期連続。9月末にかけて円安が進む中、保有額は 46兆8903億円と過去最高を更新した。

政府・日銀が経済活性化と物価上昇を目指す中、GPIFは将来の 金利上昇で評価損が生じる恐れのある国内債保有の偏重やリスク資産の 拡大での収益向上を求められ、10月末に資産構成を見直した。国内債の 目標値を従来の60%から35%に下げる一方、内外の株式は12%ずつから 25%ずつに、外債も11%から15%へ引き上げた。5%だった短期資産の 区分は廃止した。

GPIFは厚生年金と国民年金の運用資産130.9兆円を抱える世界 最大規模の年金基金。7-9月期は、国内債の残高を64.9兆円と05年末 以来の水準に圧縮。国内株は23.9兆円、外国債券は15.9兆円、外国株式 は22.8兆円で、いずれも過去最高となった。一方、GPIF以外の公的 年金は四半期ベースの運用状況を開示していない。

新たな目標値

バークレイズ証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、GPI Fが「7-9月期にポートフォリオのリバランスを始めた」と推測して いる。今後も市場の混乱などがない限り、新たな目標値に向けて国内債 の削減や日本株と外貨建て資産の積み増しを「内部で決めたペースで淡 々と続けていく」とみている。

GPIFの10月末までの資産構成の目標値は国内債が60%、国内株 が12%、外債が11%、外株が12%、短期資産が5%だった。同法人は新 たな資産構成の公表前に入れ替えを開始。国内債は9月末に49.61%と 前身の年金資金運用基金として積立金の自主運用を始めた01年度以降で 最低となり、過去最高だった08年12月末の75.90%から大きく下げた。 国内株は18.23%と06年3月末以来の水準に上昇。外債は12.14%、外株 は17.41%と、ともに最高を更新した。

新たな目標値までの売買規模は、仮に運用資産額が変わらなければ 、国内債は約19.1兆円の削減。国内株は値上がり分や為替損益も含めて 約8.9兆円、外債は約3.7兆円、外株は9.9兆円の増加余地がある。UB Sのストラテジスト、ギャレス・ベリー氏らは18日付のリポートで、主 な資産運用の見直しは約15%終えていると考えており、わずか3カ月程 度でのこれだけの大きな動きは目標達成のための切迫感が示唆され、ド ル・円買いに良い知らせだと指摘した。

他の公的年金は来年10月にGPIFと運用を一元化し、利回り目標 やリスク許容度などを共有すると法律で定められている。主要3共済の 3月末時点の運用資産は約30.4兆円で、国内債の割合がGPIFより大 きい。合計約21兆円に及ぶ地方自治体の各種年金も追随すれば、国内債 の削減と日本株や外貨建て資産の増加余地はさらに膨らむ見通しだ。

今回の日銀統計によると、国債・財融債と国庫短期証券を合わせた 「国債等」の残高は9月末に過去最大の1015兆円を記録。3カ月間で約 2兆円増えた。公的年金は全体の6.1%に当たる約62兆円を保有してい る。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは9月末に0.525%。 6月末から4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。T OPIXは5%高い1326.29。米国債の10年物利回りは2.49%と4bp 下げた。米S&P500種株価指数は0.6%上げて1972.29だった。円の対 ドル相場は1ドル=109円65銭と8.2%下落した。

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