米国債:下落、FRB議長が予想より早い利上げの可能性示唆

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米国債相場は下落。米連邦準備制度理事会 (FRB)のイエレン議長が、当局が来年、予想より早く利上げに踏み 切る可能性を示唆したことが手掛かり。

連邦公開市場委員会(FOMC)がこの日発表した声明では、事実 上のゼロ金利政策の維持に関する「相当な期間」という文言に変えて、 利上げのタイミングについて辛抱強くなれるとの姿勢を表明。また労働 市場の情勢判断については上向きに修正した。そうした中で、米国債は 中長期債を中心に下落した。イエレン議長は記者会見で、「少なくとも 今後数回の会合」で利上げはないと説明。期間が短めの国債は、 FOMC参加者によるフェデラルファンド(FF)金利予測の下方修正 が発表された後、一時下げを縮めた。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「FOMCはわざわざ辛抱強くとの文言を声 明に入れ、その上で今後数回の会合で動く可能性があると表明した」と 指摘。「声明は別として、イエレン議長の発言については市場参加者の 間では異なる解釈が存在する」と続けた。

ブルームバーグ・トレーダーのデータによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.14%。同年債(表面利率2.25%、2024年11月償 還)価格は22/32下げて101。

2年債、30年債

2年債利回りは6bp上げて0.62%。一時4bp下げる場面もあっ た。30年債利回りは4bp上昇の2.73%。前日は2.70%と、2012年8月 以来の水準に下げていた。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大手のICAPを通じた米 国債取引高は4460億ドルに増加し、5日以降で最高。年初来の平均 は3330億ドル。

原油相場の急落で金融市場は動揺しており、欧州や日本ではディス インフレ圧力が強まっている。またロシアは資本流出を食い止めるた め、政策金利を大幅に引き上げた。

FOMC声明

FOMC声明では「委員会は現在の精査に基づき、金融政策スタン スの正常化の開始においては辛抱強くなれると判断している」とした上 で、委員会はこのガイダンスについて、金利をゼロ付近で「相当な期 間」据え置くことが適切であろうとした前回の声明と整合性があると理 解していると説明した。

FOMCがこの日発表した四半期ごとの予測によると、来年末時点 のFF金利は1.125%。9月は1.375%だった。また2016年末 は2.5%、17年末は3.625%と予測された。

ジェフリーズの主任金融エコノミスト、ウォード・マッカーシー氏 はイエレン議長について「タイミングに関して言質を与えなかったとい う点で、素晴らしい仕事をしたといえる」と指摘した。

米労働省が発表した11月の消費者物価指数(CPI、季節調整済 み)は前月比0.3%低下した。低下率は2008年12月以来で最大。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は0.1% 低下。前月はほぼ変わらずだった。

イエレン議長は原油価格の急落は米経済にとってプラスであり、イ ンフレへの影響は一時的なものにとどまるとの認識を示した。

原題:Treasuries Drop as Yellen Says Fed Is on Pace to Raise Rates(抜粋)

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